マイホームづくりでの依頼先は、大きくわけて住宅メーカー・工務店・設計事務所があります。それぞれの依頼先の特徴を理解して依頼先の絞込みを行いましょう。
項目 | 住宅メーカー | 工務店 | 設計事務所 |
プランの自由性 | ・プレハブ工法は工場製作によりプランの自由性がない。 ・標準化が図られプランに制約が有り、 標準外のプランも対応できるがオプション扱いとなり建築費のアップにつながる。 |
・プランの自由性は高いが、施工性を優先され制限を受ける場合がある。 | ・オーダーメード対応でプランの自由性が高い。 |
× | △ | ◎ | |
プランの提案力 | ・商品アイテムをも多く、デザインの研究も進んでいるが、標準化対応による独自性に欠け、プランの提案内容に限界がある。 | ・自社内部にて設計を行う場合は、施工性を優先し提案力に欠ける。 | ・設計力が高くニーズに合った提案力が期待できる。 |
△ | × | ◎ | |
敷地への対応性 | ・標準化が図られているため、変形敷地や狭小地には不向き。 | ・オーダーメードで敷地への対応性はある。 | ・オーダーメードで敷地への対応性はある。 |
× | ○ | ◎ | |
建物の各種性能 | ・各商品によりますが、性能実験などを行い全般的に優れている。 | ・しっかりした工務店でないと不安がある。 | ・住宅設計の経験不足の設計事務所は、デザインを優先しあまり性能面には期待できない。 |
◎ | × | △ | |
価格の透明性 | ・各社独自の見積り基準を設け、本体単価形式で内訳明細書がないため解り難い。 | ・一拾い形式の見積り対応を行う工務店は解り易いが、まだ、一般図での見積りでは不確定要素がある。 | ・実施設計完了後に入札対応の上、詳細見積り形式で見積りが行われるので解り易い。 |
× | △ | ◎ | |
価格 | ・標準化により大量仕入れが図られ直接原価は一番安いが、展示場やカタログ・TVコマーシャルなどの費用や間接部門の人件費など、膨大な経費が販売価格に載っていて経費率が高く割り高になる。 | ・仕入れ原価は住宅メーカーに比べ高いが、経費率が低いため住宅メーカーより工事費が安い。 | ・入札形式での対応が可能で、工務店より更に建築費の低減化が図れるが、設計費用が住宅メーカー・工務店よりも高くかかる。 |
× | ○ | × | |
追加費用の発生率 | ・請負契約後詳細設計が行われるので追加費用の発生率が高く建築費が高くつく。 | ・十分な打合せを行った上で請負契約をしなければ追加費用が発生する。 | ・詳細設計後の請負契約となり追加費用は発生しない。 |
× | △ | ◎ | |
詳細図面の整備 | ・標準詳細図作成されているが建築主には提出されない。 | ・一般図程度の図面で詳細図は作成されない。 | ・詳細図は整備される。 |
× | × | ◎ | |
施工の品質 | ・設計施工体制で検査があまく、また 現場担当者の持ち物件数も多く、きめ細かい現場管理が出来ないため、施工の品質は下請け工務店・職人さんの良し悪しに左右される。 | ・設計施工体制のため検査があまく、技術的にしっかりした現場監督でないと問題が発生する傾向が高い。 | ・施工は工務店が行い、工事監理を設計事務所が行うため、欠陥住宅や手抜き工事等の問題ない。但し 木造住宅の場合は、経験不足の設計事務所が多く工務店まかせになる場合がある。 |
△ | × | ◎ | |
アフターメンテ | ・定期点検のシステムがしっかり構築されているので安心できるが、対応が遅く有償のメンテ費用が高くつく。 | ・地域密着型の工務店は対応が早く、現場監督が親身になって対応してくれる。 | ・工務店がメンテナンスを行いますが、設計事務所が窓口となり相談にものってもらえる。 |
○ | × | △ |
【◎】非常に安心 【○】安心 【△】普通 【×】不安
一定規模以上の生産機能をもち、オリジナル商品の開発・販売・施工・アフターサービスまで、それぞれの選任スタッフが一貫したシステムで行われている。
・ | 営業力が非常に強く、営業段階から設計・工事・建物完成・アフターフォローまで、一定の流れ・基準が設けられ、その流れに従いながら進められるので、建築主はあまりマイホームづくりの労力を必要としない。逆に、納得したマイホームづくりや、自分達のペースで進めたいと考えている方には不向きです。 |
・ | 建物を商品として扱い、大量生産を行えるように標準化が図られているので、独自性を求める方や、狭小敷地・変形敷地には不向きです。 |
・ | 高気密住宅・高断熱住宅・免震工法などの特殊性能を希望される場合に適している。 |
・ | 何らかの理由で急いでいる場合は、住宅メーカーに依頼した方が住まいづくりの期間は短い。(特にプレハブ工法) |
住宅メーカーへ依頼のワンポイントアドバイス |
1,標準仕様範囲と本体単価の内容を十分に把握する。 標準仕様のグレードや本体単価に含まれる工事内容を理解する。 2,請負契約締結後、詳細打合せにて追加費用が発生するので、契約するまでに 細部にいたる仕様を確定し、それを含めた上で契約を行う。 契約後のオプションや特別仕様は割高になるので、標準外の対応が必要な 場合は本契約内に含めて対応する。 3,2,の仕様で数社の見積り比較検討を行い値交渉を行った上で契約する。 4,特殊な建物形状や仕様はできるだけ避ける。 標準化での決まった仕事しかしていない場合が多く、標準外の特別な仕様 を要求すると、価格が割高になったり、性能が劣ったり、後々のトラブル になる場合がある。 5,営業に急がされて契約するのは避ける。 十分にプラン・仕様・性能・工事範囲・価格を検討した上で契約を行う。 6,住宅展示場だけで判断することは避ける。 展示場は、経験・技術とも豊富な職人さんに最高の仕事をさせ、スタイリ ストなどのインテリアの専門家に高価なインテリアをさせているので現実の ギャップを冷静に判断する必要があります。 7,住宅メーカーは、国土交通省に認定された独自の工法を採用している場合が多 く将来の増改築が認められない場合や建てた住宅メーカーでしか対応できない 場合がありますので注意する。 将来の増改築を考えるならば木造軸組工法が最善です。 |
基本的に施工を専門としているが、工務店の形態は千差万別で棟梁一人だけの工務店もあれば、多くの社員(営業・設計・工事)を抱え住宅メーカーなみの活動を行っている工務店もある。
・ | 施工が専門で設計力には欠けるが、建築費を抑えた一般的な住宅を望む場合には適している。但し 設計施工体制のため施工品質面に不安がある。 |
・ | 木造軸組工法の住宅に適している。 |
工務店へ依頼のワンポイントアドバイス |
1,請負契約締結する前に、出来るだけ多くの提案を行ってもらう。 設計担当者は社内にて行うか、外部の設計事務所に依頼されるか工務店 によって違いますが、いずれにしても施工性を優先して対応されますの で、提案力に欠けイメージが解り難いので納得するまで提案をしてもらう。 2,一般図での契約になりますので、契約するまでに細部にいたる仕様を確定し、 それを含めた上で契約を行う。 契約後の詳細打合せにて、追加費用が発生したり、価格が割高となり トラブルのもとになります。 3,2,の仕様で数社の見積り比較検討を行い値交渉を行った上で契約する。 4,見積書で内訳明細書が提出されない工務店は避ける。 5,経験のない工法や仕様はできるだけ避ける。 建売住宅専門に施工している工務店や希望する工法や仕様の経験不足の 工務店は依頼しない。 6,営業に急がされて契約するのは避ける。 十分にプラン・仕様(仕上材、構造材、建具、住設、設備など)・ 性能・工事範囲・価格を検討した上で契約を行う。 7,契約前に現場管理の体制を確認する。 施工を下請けに丸投げしたり、現場監督が依頼する工務店の社員でない 様な工務店は避ける。 8,契約後の作成される実施設計図面の範囲を確認し、また その図面をどこまで の範囲入手できるのかを請負契約締結前に確認する。 詳細図面を作成しない場合や構造関係の図面を建築主に渡さない工務店 は依頼しない。 ※必要図面を参照して下さい。 9,希望する工法や仕様の施工実例を見る。 |
設計業務を専門として行い、建築主と設計・監理業務契約を行い、プランニングから実施設計(詳細設計)・確認申請・見積査定・工事監理を行う。
・ | 建築費の予算に余裕があり、個性的な建物を望む場合に適している。 |
・ | 狭小敷地・変形敷地などの敷地有効利用を図る必要がある場合に適している。 |
・ | 鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造で、階数が4階建て以上の住宅に適している。 |
・ | 設計と施工が分離されているため、欠陥住宅・手抜き工事などが気になる場合に適している。 |
・ | 価格面を明確にするための内訳明細書や競争見積り対応を希望する場合に適している。 |
設計事務所へ依頼のワンポイントアドバイス |
1,個人住宅の経験豊富な設計事務所に依頼する。 住宅メーカーや建売住宅の下請けで、確認申請の代願業務を専門に行っ ている設計事務所や大規模なマンションや事務所ビルなどを専門に手が けている設計事務所など千差万別で、個人の住宅設計を全く経験したこ との無い事務所も多数あります。また 木造軸組工法は、鉄筋コンクリ ート造や鉄骨造と違い、豊富な経験と細部の知識が必要で、経験不足の 設計事務所は、工務店まかせになる場合があるので注意しましょう。 2,設計契約を行うまでに、計画プラン・仕様・建築費予算を設計者と十分に話合う。 3,過去の設計実例を確認する。 4,工事監理体制を設計契約締結までに確認する。 着工すると工務店まかせにする設計事務所も見受けられます。工事監理 がどの程度の回数と内容で行われるのか事前に確認する。 |
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