保証とメンテナンス

●住宅の保証(長期保証)

住宅性能保証

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)により、すべての新築住宅の取得契約(請負/売買)において、基本構造部分(基礎・柱・床・屋根等)と雨水の浸入を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任(長期保証)が義務付けされています。

しかし、建物が傾くなどの相当額の手直し費用が発生する場合に、建築会社の資金力はありますか?
また、依頼先の建築会社(工務店・住宅メーカーなど)が、10年間の間に倒産して、なくなっていればだれが瑕疵担保責任を果たしてくれるのでしょうか? 

・・・・・・結論「建築主の泣き寝入り状態」・・・・・・・・


住宅の保証

いくら、法律で建築主・買主が守られていても、建築会社の存続や資金力がなければ、泣き寝入り状態です。

ならば、どうすればよいのか? 

しっかりとした地盤の上に、構造が頑丈で、雨仕舞いをしっかり施された耐久性の高い建物を建てることが一番です。が・・・・・・・・・



それが不安な場合は、(財)住宅性能保証機構住宅性能保証をお勧めいたします。
工事が完成・引き渡し後、万が一住宅が傾いたり、雨漏りしたりなど不具合が起きた場合に、修補費用を保険で補う住宅性能保証制度。
また、万が一保証期間中に施工業者が倒産しても、修補費用を約95%の保険でカバーされるので安心です。


住宅保証のいろいろ
事 項 @一般住宅 A性能表示住宅 B性能保証住宅
対象住宅 全ての新築住宅が対象 全ての新築住宅が対象 住宅性能保証機構にて住宅性能保証制度を受け保証書が発行された住宅。
※性能表示との併用可能
保証期間
(長期保証)
10年+延長可
※業者との取決めが必要
10年+延長可
※業者との取決めが必要
10年まで
瑕疵部分の修理代金負担 全額、施工会社負担 全額、施工会社負担 全額、施工会社負担
※損害保険により、95%が施工会社に支払われる。
施工業者倒産の対応 保証なし 保証なし 損害保険によって、必要な修補費用の95%まで支払われる。
制度を利用するための建築主の負担 法律上の義務のため、建築主の負担無し。 15〜20万円程度が必要。 住宅費用の0.5%程度の負担有り。
瑕疵について、業者とトラブルがある場合の対応 建設工事紛争審査会あるいは調停や裁判 紛争処理機関 (財)住宅保証機構で設けられる保証事故審査会あるいは調停や裁判


尚、新たに住宅瑕疵担保履行法により、平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅から、住宅性能保証と同様の対応が義務化されました。
それに伴い、住宅保証機構では住宅性能保証制度は廃止され、住宅瑕疵担保責任保険「まもりすまい保険」が新たに設けられています。
   詳しくは、住宅瑕疵担保履行法についてとはをご覧ください。


●住宅メーカーの20年保証のしくみ  (長期保証)

住宅メーカーの20年保証

住宅メーカーの保証では、20年保証をアピールしていますが、これは法律上の瑕疵担保責任の10年保証に、10年目の有償メンテナンス工事を行うことで更に10年延長する保証システムです。 (メンテナンス工事の有無を判断するための点検は無料対応が一般的です。
建物引渡し後10年も経てば、構造関係で今までに問題が無ければ、その後問題は発生しません。
しかし 雨水の浸入関係は、10年目まで問題がなくても今後、経年変化により防水やコーキングが切れ雨漏りの危険が考えられます。

そう言うことから、下記の工事が10年目に有償で発生します。
何もせず、また無償で20年保証は対応してくれません。


10年目に必要な有料メンテナンス工事

  1. 防蟻工事再施工
  2. バルコニー等の防水再施工
  3. 外部コーキング工事
  4. 外部吹き付け工事
  5. その他住宅メーカーが必要と判断した有料メンテナンス工事

住宅の保証  (短期保証)

住宅長期保証は、品確法にて基本構造部分(基礎・柱・床・屋根等)と雨水の浸入を防止する部分について10年保証が義務付けされ、瑕疵判断の技術的基準が告示で定められています。

法律で定められている長期保証以外のその他の保証については、各住宅メーカーや工務店などの建築会社によって若干の違いはありますが、概ね下記に示す住宅性能保証機構の短期保証が一般的に採用されています。
必ず、契約前に短期保証の内容を確認し、書面にて保証内容が明確に解かるようにしておきましょう。

一般短期保証内容
保証対象部分保証期間短期保証基準
土工事盛土,埋戻し及び整地を行った部分2 年盛土、埋戻し及び整地を行った部分は、沈下、陥没、隆起、敷地の排水不良等の事象が生じ、使用上の不都合をきたしてはならない。なお、これらの部分に多少の沈下等が生じるのは避けられず、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。
コンクリート工事アプローチ,ポーチ,玄関土間,犬走り,テラス等,主要構造部以外のコンクリート部分2 年アプローチ、ポーチ、玄関土間、犬走り、テラス等のコンクリート部分は、著しい沈下、ひび割れ、不陸、隆起、主要構造部とのはだわかれ等の事象が生じてはならない。なお、盛土、埋戻し部分のアプローチ、ポーチ、玄関土間、犬走り、テラス等に多少の沈下等が生じるのは避けられず、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。
木工事床、壁、天井、屋根、階段等の木造部分2 年木造部分は、木材の変形、変質により著しいそり、すきま、割れ、きしみ等の事象が生じてはならない。なお、木材は年月の経過により収縮するものであり、羽目板、縁甲板、巾木等に多少のすきまができるのはやむをえないことであり、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。
ボード、表装工事床、壁、天井等のボード、表装工事による部分2 年ボード、表装工事部分は、仕上材の剥離、変形、変質又は著しい浮き、すき、しみ等の事象が生じ、その機能及び美観を損なってはならない。
建具、ガラス工事外部及び内部建具2 年建具又は建具枠は、変形、腐食等の事象が生じ、開閉不良、がたつき等による機能低下をきたしてはならない。外部建具は、建具から雨水が流入してはならない。
左官、タイル工事壁、床、天井等の左官工事部分2 年モルタル、プラスタ一、しっくい等の仕上部分及びタイル仕上げの目地部分は、剥離、変退色、著しいひび割れ等の事象が生じ、その機能及び、美観を損なってはならない。なお、これらの部分に軽微なひび割れが生じるのは通常避けられず、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。
組積工事コンクリートブロック、れんが等の組積による内・外壁2 年組積工事の目地部分は、亀裂、破損、仕上材の剥離等の事象が生じ、その機能及び美観を損なってはならない。なお、これらの部分に軽微なひび割れ、組積表面の軽微な段差、凹凸は通常生ずるものであり、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。
塗装工事塗装仕上面(工場塗装を含む。)1年
6カ月
塗装仕上面は、白樺、はがれ、亀裂等の事象が生じ、耐久性及び美観を損なってはならない。
屋根工事屋根仕上部分2 年屋根ふき材は、著しいずれ、浮き、変形、腐食、破損等の事象が生じ、その機能及び美観を損なってはならない。
防水工事浴室等の水廻り部分及び外壁開口部取付け等のシーリング部分2 年浴室等の水廻り部分は、タイル目地の劣化 防水層の破断、水廻り部分と一般部分の接合部の防水不良等により、通常の使用状態で水漏れが生じてはならない。外壁開口部取付シーリング等の部分は、シーリング材の施工不良による劣化等により、雨水がこれらの部分から浸入してはならない。
断熱・防露工事壁、床、天井裏等の断熱、防露工事を行った部分2 年壁面、押入れ、床下等は、水蒸気の発生しない暖房機器の通常の使用により、結露水のしたたり、結露によるかびの発生等の事象が生じてはならない。
防虫処理工事軸組、壁等の防虫処理を行った部分2 年軸組、壁等の防虫処理を行った部分は、白あり、ヒラタキクイムシ等の食害により、損傷等が生じてはならない。なお、これらの食害を完全に防止することは困難です。
錺金物工事とい2 年といは、脱落、破損、たれ下り、著しい腐食等の事象が生じ、その機能を損なってはならない。
水切、雨押えの金属板2 年水切、雨押えの金属板は、継手のはがれ、浮き、著しい腐食等の事象が生じ、下地材への雨水の浸入防止機能を損なってはならない。
電気工事配管、配線2 年配管、配線は、接続・支持不良、腐食、破損等が生じてはならない。
コンセント、スイッチ1 年コンセント、スイッチは、取付不調、作動不良等が生じてはならない。
給水・給湯・温水暖房工事配管2 年配管は、接続・支持不良、電食、腐食、折損等の事象が生じてはならない。
配管は、結露により他の部材を著しく劣化させてはならない。
蛇口、水栓、トラップ1 年蛇口、水栓、トラップは、取付不調、作動不良等が生じてはならない。
厨房・衛生器具1 年厨房・衛生器具は、取付不調、水漏れ、排水不良、破損、作動不良等が生じてはならない。
排水工事配管2 年配管は、勾配、接続、固定不良等による排水不良又は地盤沈下により、折損、漏水の事象が生じてはならない。
配管は、結露により他の部材を著しく劣化させてはならない。
汚水処理工事汚水処理槽2 年汚水処理槽は、槽のひび割れ、腐食による漏水又は不同沈下により機能不全の事象が生じてはならない。
ガス工事配管2 年配管は、接続・支持不良、腐食、破損等が生じてはならない。
ガス栓1 年ガス栓は、取付不調、破損、作動不良等が生じてはならない。
雑工事小屋裏、軒裏及び床下の換気孔2 年換気孔は、脱落、つまり、著しい腐食等の事象が生じ、雨、雪、鳥、ねずみ等の浸入及び換気性能の低下をきたしてはならない。
めがね石2 年めがね石は、脱落、絶縁不良等が生じてはならない。

住宅のメンテナンス

住まいは日頃のちょっとした手入れさえおこたらなければ、長い間快適に住めるものです。そのためにも、掃除などの他に定期的に点検を行うことが望まれます。
こまめに気を配っていれば、それだけで補修費用をかなりおさえることができます。
点検時期は下記をおおよその目安にしてください。

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