トリートメントとは、"あしらい"の意味で、窓廻りの装飾全般を「ウインドトリートメント」と言い、窓の演出法のひとつで、ウインドートリートメントによって部屋の雰囲気はガラリと変わり、住み心地にも影響があります。
ウインドートリートメントには、「カーテン」や「縦型ブラインド」(バーチカルブラインド)のような左右に開閉するタイプ、「横型ブラインド」(ベネシャンブラインド)や「プリーツスクリーン」、「ローマンシェード」のようにたたみ上げる形式、及び「ロールスクリーン」や「すだれ」のように巻き上げる形式の上下に開閉するタイプ、カフェカーテンやクロスオーバースタイルなどの固定タイプの3つに大別されます。
● 左右に開閉タイプ | ・ | カーテン | |
・ | 縦型ブラインド (バーチカルブラインド) | ||
● 上下に開閉タイプ | ・ | 横型ブラインド (ベネシャンブラインド) | たたみ上げ形式 |
・ | プリーツスクリーン | ↑ | |
・ | ローマンシェード | ↑ | |
・ | ロールスクリーン | 巻き上げ形式 | |
・ | すだれ | ↑ | |
● 固定タイプ | ・ | カフェカーテン | |
・ | クロスオーバースタイル |
また、カーテン・ブラインドなど、ウインドートリートメントを選定するポイントは、何のために設けるのかが重要です。遮光性・調光性・断熱性・防音性・装飾性など、ウインドートリートメントを設ける部屋によて、求められる性能も優先順位が違ってきます。
カーテン地には、色々な種類の素材や機能付きのカーテン地があります。失敗しないカーテン選びを行なうには、何のためにカーテンをつけるのか、目的をはっきりさせる事が重要です。
カーテンは、外からの視線や日差しを遮ることで、プライバシーの保護や安眠に役立ちます。また、日中に完全に光を遮断したい、あるいは、やわらかな光を採り入れつつ、外からの視線だけをカットしたい時などに役立ちます。
カーテンは、カーテン地の選び方や、カーテンを開けたり閉めたりすることで、外から入ってくる光の量をコントロールすることができます。
カーテンは、夏は窓ガラスから入ってくる熱気を防ぎ、冬は冷気や隙間風の侵入を抑制し、冷暖房の効率を高めるので、省エネにも効果があります。
カーテンは、音を吸収するため、外からの音を和らげ、室内の音を外に漏れ難くします。また、オーディオの響きをソフトにする役目も果たします。
クラシックな部屋なら、バランスやトリムなどを設けたり、モダンな部屋ならシャープなスタイルにするなど、カーテンのあしらい方しだいで、インテリアのイメージをより印象づけることができ、布ならではの質感が、くつろぎ感を演出してくれます。
バランスとは、カーテンの上部に取り付ける上飾りのことで、「トップシェード」や「トップトリートメント」などとも呼ばれています。
主にエレガントやクラシックスタイルの室内装飾になくてはならない存在です。また、バランスは装飾的な働き以外に、上部からの光の漏れを防ぐ役割もあります。
トリムとは、カーテンやバランス、タッセルなどの縁に付けるテープ状の飾りの総称で、窓廻りのアクセサリーの中でもデコレーション効果の高いアイテムです。
こまかい房が連なったものを「フリンジ」、テープ状のものを「ブレード」と呼びレースタイプもあります。
タッセルとは、カーテンを開けたときに、左右でカーテンを束ねるための房飾り。
カーテンの共布でつくるものと、そうでないもの、また、さまざまなデザインのタイプがあります。
既製品のタッセルを選ぶ際のポイントとして、長いものはカーテンをたたんだときにボリュームがある幅広のカーテンや、丈の長いカーテンに向いています。 また、中央に長い飾り房が付いているタイプは、丈の短いカーテンではバランスがとれないことがあるので、タッセルの選定に注意する必要があります。
カーテン地の種類は、生地の性質により分類できます。厚地の「ドレープ」、薄くて光を適度に透過する「レース」や「ボイル」、レースよりも太い糸で織られた「ケースメント」などがあり、室内側にドレープ、窓側に薄手ののレースをつける、2重吊りが一般的なカーテンの吊り方です。
カーテンに使用される素材は、ローマンシェードやロールスクリーンに仕立てられるものもありますが、天然繊維(綿、麻、絹、羊毛)と化学繊維(ポリエステル、レーヨン、アクリル)に大別されます。
これまでドレープカーテンには、ドレープ性に優れたレーヨンが多く使われてきましたが、吊っているうちに伸びてしまったり、水洗いすると縮んだりするのが欠点。 家庭で洗えるウオッシャブル機能が求められ、最近では、取り扱いが簡単なポリエステル製が大半を占めるようになりました。
ドレープとは、「ドレーパリー」とも呼ばれ、太い糸を使った織物の厚地のカーテン地のことを言います。
保温や防音、遮光などの機能に優れ、無地のものや柄物、起毛タイプのベルベットなど高級感があります。
ケースメントとは、ドレープとレースの中間のようなカーテン地で、透かし織りのものが主流です。
レースより厚くてボリューム感があり、落ち着いた雰囲気があり、単独で使用することが多いタイプです。
レースは、編み機で編まれた、光を透過するカーテン地で、ボイルは、透明感のある織物タイプのものをいいます。また、ボイルに刺繍を施したものを「エンブロイダリー」と呼びます。
素材 | 長所 | 短所 |
綿 |
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麻 |
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絹 |
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ポリエステル |
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レーヨン |
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アクリル |
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最近では、「形状安定」、「ウオッシャブル」、「遮光」、「耐光」、「ミラーレース」、「UVカットレース」、「防炎」、「防汚」、「消臭」、「抗菌」など、便利な機能を持たせたカーテン地が多くあります。
また、これらの機能がサンプル帳にマークなどで表示されています。
マークには、(社)日本インテリアファブリックス協会、若しくはメーカー独自で認定され、カーテン地を選ぶ際の参考になります。
形状安定とは、主にドレープカーテンに施される加工で、美しいドレープが半永久的に楽しめ、シワの発生や型くずれがしにくく、取り扱いが簡単です。ヒダに沿ってたたまれるので、カーテンをあけた時にコンパクトに納まり、家庭で洗濯ができ、吊り干し乾燥で元の美しいドレープが保たれます。
ウオッシャブルとは、家庭用洗濯機で洗えるカーテン地で、洗ってもほとんど伸び縮みせず、色落ちなどもし難いのが特徴です。
遮光とは、外部からの光を遮る目的で作られたカーテンで、「ブラインダーカーテン」とも呼ばれています。
遮光カーテンには、横糸に黒い糸を織り込んだもの、生地の裏に樹脂デラミネート加工したものなどがあります。また、気に入ったドレープカーテン地に遮光性のある裏地をつけて、遮光機能を持たせる方法もあります。
尚、(社)日本インテリアファブリックス協会では、遮光カーテンの等級及び状態表現を下記のように表示基準が設けられています。
遮光1級・・・人の顔が認識できないレベル。
遮光2級・・・人の顔あるいは表情がわかるレベル。
遮光3級・・・人の表情はわかるが事務作業には暗いレベル。
耐光とは、強い日差しにさらされても、変色しにくく、美しさが長続きできるように、耐光加工が施されたカーテンで、日当たりのよい南向きや西向きの部屋に最適です。
ミラーレースとは、裏面にブライト糸を編み込んだレース地で、日中は屋外から室内が見えにくく、室内側からは外が見えるハーフミラー効果があり、プライバシーを重視したレースカーテンです。
紫外線や赤外線の侵入を抑えるため、冷暖房の効率を高めたり、日差しによる家具の色あせを防ぐ効果があります。
UVカットレースとは、緻密な編み組織により遮光性を向上させたレース地に、紫外線吸収剤を後加工で繊維の表面に付着させ、特に紫外線の透過率を抑える機能を持たせたレースカーテンです。
防炎とは、難燃糸を使用したり、防炎加工を施したりすることで、燃え難くい性質を持たせたカーテン地で、不燃とは異なり、全く燃えないということではなく、万が一、火がついても燃え広がりにくいカーテンです。
防汚とは、防汚加工が施されたカーテン地で、汚れが付きにくく、ついても落しやすいので洗濯も簡単です。
消臭・抗菌とは、生ゴミやペット、タバコなどの不愉快な臭いを抑える効果のある消臭機能や、シックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒドを吸着・除去する機能を備えた、健康面に配慮したカーテン地です。
カーテンレールは、機能レールと装飾レールに大別されます。また、カーテンの吊り元の仕立て方は、カーテンレールを見せるタイプと隠すタイプがあり、使用するフックも違います
カーテンレールには、機能レールと装飾レールとがあります。
「機能レール」は、カーテンを吊るす機能重視のレールで、カーテンレールが目立たず、窓をシンプルにまとめたい場合やカーテンボックスを設ける場合のカーテンレールとして取り付けます。
「装飾レール」は、それ自体がインテリアのデコレーションになり、ナチュラルなインテリアに合う木製や、クラシックなインテリアにぴったりな金属製など数多く商品化されています。
注):装飾レールは重量があり、カーテンの重さも加わるので、取り付け箇所の下地がしっかりしていることが要求されます。
新築時には、カーテンなどの下地補強が、標準範囲内で設けられているのか確認する事を忘れずに!
フックには、「Aフック」、「Bフック」、「アジャスタフック」とがあり、カーテンレールを隠す場合には、Aフック、カーテンレールが天井付けやカーテンボックス内に設ける場合はBフックを設けるのが一般的です。
また、丈の調整ができるアジャスタフックも便利です。
2枚引きのカーテンの仕上がり幅は、カーテンレールの長さに、ゆるみ分として3〜5%加えることが望ましいです。仕上がり幅をカーテンレールの長さと同じにすると、カーテンを閉めたときに中央の合わせ目が開いてしまうので、ゆとりを持たす必要があります。
ドレープの丈はランナーの下端から床までを測り、それより1〜2pマイナスした寸法にし、レースはドレープより1〜2p短くします。
腰窓に設けるカーテンの丈は、窓の下枠から15〜20p下がった長さが一般的です。但し、腰窓の下にローボードなどの家具を置く場合は、カーテンが家具にかからないようにします。
また、部屋の入隅近くについている窓では、カーテンのたたみしろが無く、カーテンを開けた時に、たたみしろが窓にかぶったり、壁面収納の扉などが、カーテンレールと干渉するなど注意する必要があります。
新築の場合は、これらの事を踏まえて、設計の段階で窓の位置やカーテンレールの対応について検討することをお勧めいたします。
※ブラインド・シェード類の採寸方法は、ブラインド・ローマンシェード・ロールスクリーン・プリーツスクリーンを参照下さい。
許可なく文章、画像等を転載することを禁じます。
■外壁仕上材 |
・吹付材 |
・サイディング |
・外壁タイル |
■屋根仕上材 |
・粘土瓦、 セメント瓦 |
・化粧スレート、 金属葺き |
■外装床仕上材 |
・外装床タイル |
■内装仕上材 |
・フローリング |
・縁甲板 |
・CFシート |
・畳(たたみ) |
・内装床タイル |
・クロス(壁紙) |
・塗り壁 |
■その他仕上材 |
・石材 |
・化粧合板 |
・和室造作材 |
・塗装 |
■建具関係 |
・室内建具(洋) |
・室内建具(和) |
・外部建具(窓) |
・外部建具(扉) |
・ガラス(硝子) |
■下地材関係 |
・合板、パネル |
■インテリア関係 |
・カーテン |
・ブラインド等 |
・カーペット等 |
■住宅設備関係 |
・衛生便器 |
■設備関係 |
・電灯照明器具 |
・スイッチ、コンセント |
■チェックシート |
・仕上編 |
・建具編 |
・設備編 |