床材には、大きく分けて外装用と内装用に分けられます。
外装用床材は、雨や湿気などの外部の諸条件に耐えれる素材が求められ、タイル貼りや石貼りなどの床仕上げ材が多用されます。外部土間関係や犬走りなどの、化粧床仕上げを行なわない場合は、土間コンクリートの直押さえやモルタル塗りが採用されます。
また、住宅での内装用床材は、一般の建物と違い、直に肌にふれることが多く、洋室関係にフローリング、水廻りにCFシート(クッションフロア)、和室関係には畳敷き、縁甲板が多用されています。また、最近では、床暖併用の内装用の大型床タイルや石貼りを採用するケースも増えてきています。
タイルとは、粘土や陶石、長石などを粉砕し、これを成型して高温で焼き固め、板状につくられた陶磁器質の建材で、古くから建築物の内外装 及び 装飾材として使われてきました。
タイルは耐候性、耐火性、防水性などに優れ、外壁や床、また、水まわりを中心とした内装用の建材として人気があります。
タイルには素地の質や吸水率の違いにより、陶器質タイル、せっ器質タイル、磁器質タイルの3種類に分類されます。磁器質タイルは最も緻密なので、ほとんど吸水はしません。また、陶器質タイルは、素地が多孔質(小さな穴が無数あいている)なので、タイルの中では最も吸水率が高く内装用に適しています。磁器質タイルと陶器質タイルの中間に位置するのがせっ器質タイルです。
タイルメーカーでは、タイルの適した用途に応じ、屋内の水廻りや壁、床用、屋外の壁、床用などに分けられ、カタログなどに掲載されています。
タイルの大きさは、モザイクタイルのように細かなものから、最近では、900mm角の大型タイルが作られるようになりました。タイルを使用する部位や求めるデザインにより、上手に使い分ける必要があります。
一般的な住宅の場合で、壁に用いられるタイルの大きさは、50mm×100mm(50二丁)、50mm×150mm(50三丁)、50mm×200mm(50四丁)、小口タイル(108mm×60mm)、二丁掛タイル(227mm×60mm)などが一般的なサイズです。あまりサイズがおおき過ぎるとタイルの剥離が生じてきます。
また、床もサイズは豊富ですが、36(さぶろく)タイル(108mm角「3寸6分角」)、100mm角、200mm角タイルが一般的に使われています。300mm角などの大きなタイルを床に採用する場合は、滑りやすくなるので、タイルを使用する部位に応じて、採用するタイルの大きさにも注意が必要です。
【タイル貼りの特徴】
外装用の床タイルを採用するケースは、玄関 及び玄関ポーチが多く、雨水に濡れるため滑りにくいタイルを選ぶのが賢明です。
タイルの表面に細かな凹凸があるタイルは滑りにくく、また、タイルの目地間隔が狭い、小さなタイルほど滑りにくくなります。
また、玄関ポーチは階段状になるため、ノンスリップ対応として、段の先端には段鼻ノンスリップタイルが一般的に使われます。
最近では、150mm角 若しくは200mm角の大型タイル(海外の輸入タイル)を標準仕様として採用されている場合が増えてきています。
また、2階に設けるバルコニーの床は、一般的にFRP防水が主流で、FRP防水のトップ仕上げ(一般的にはグレー色)のままの状態です。
バルコニーの奥行きが深い場合や、バルコニーの外部空間と室内空間の連続性を持たせる場合には、意外にバルコニーの床が気になるものです。その様な場合に、床置きタイル(デッキシステムタイル)もありますので検討してはどうでしょうか?
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