住宅ローンの基礎知識 優良住宅取得支援制度 フラット35Sとは
● 優良住宅取得支援制度【フラット35】Sとは
優良住宅取得支援制度(フラット35S)とは、フラット35を使用する場合に、「省エネルギー性」、「耐震性」、「バリアフリー性」、「耐久性・可変性」の4つの性能に優れた住まいの基準のうち、いずれか1つの基準を満たす住宅を取得する場合に、当初5年間の借入金利について、年0.3%の優遇(※1)を受けることができる制度です。
また、フラット35Sには、更に1ランク優れた住宅に対して20年間金利優遇が受けられる、フラット35S(20年金利引下げタイプ)もあります。
優良住宅取得支援制度は、フラット35(買取型)及びフラット35(保証型)の両方に適用できます。
(※1)、年度によって、優遇期間や優遇金利などの優遇内容がちがいます。
優良住宅取得支援制度の愛称として、証券化支援事業の名称【フラット35】に、質の高い住宅という優良住宅取得支援制度のイメージを表現する「S」を付けて表現や呼称されています。
読み方「ふらっとさんじゅうご・えす」 尚、「S」は「Special(特別な)」の頭文字です。
◆ 優良住宅取得支援制度(フラット35S)の対象となる方
下記の1及び2要件を満たす方が対象となります。
- 優良住宅取得支援制度(フラット35S)の受付期間中に、優良住宅取得支援制度(フラット35S)の申し込みができる金融機関に借り入れの申し込みを行った方。
- フラット35の技術基準に加えて、優良住宅取得支援制度(フラット35S)の技術基準を満たしていることを証明する「適合証明書」を申し込み先の金融機関へ提出を行なった方。
※「適合証明書」は資金の受け取り前までに提出。申し込み時には不要。
◎優良住宅取得支援制度(フラット35S)の取扱い金融機関
優良住宅取得支援制度(フラット35S)の主な取扱い金融機関は下記の金融機関等になります。
■都市銀行・信託銀行
みずほ銀行 | 三菱東京UFJ銀行 | りそな銀行 |
三井住友銀行 | 埼玉りそな銀行 | 中央三井信託銀行 |
■地方銀行
北海道銀行 | 青森銀行 | 秋田銀行 |
山形銀行 | 岩手銀行 | 群馬銀行 |
千葉銀行 | 横浜銀行 | 山梨中央銀行 |
静岡銀行 | スルガ銀行 | 大垣共立銀行 |
北陸銀行 | 富山銀行 | 福井銀行 |
三重銀行 | 滋賀銀行 | 京都銀行 |
近畿大阪銀行 | 泉州銀行 | 池田銀行 |
紀陽銀行 | 但馬銀行 | 阿波銀行 |
伊予銀行 | 四国銀行 | 鳥取銀行 |
中国銀行 | 広島銀行 | 山口銀行 |
福岡銀行 | 佐賀銀行 | 肥後銀行 |
大分銀行 | 宮崎銀行 | 鹿児島銀行 |
琉球銀行 | 沖縄銀行 | |
■保険会社・モーゲージバンク等
SBIモーゲージ | 楽天モーゲージ | GE Moneyファイナンス |
ジェイ・モゲージバンク | | |
※上記金融機関等は一部を掲載しているだけで、記載以外の金融機関等にも、多数の銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、保険会社、ノンバンク等にて取り扱われています。また、フラット35(保証型)を利用され、優良住宅取得支援制度(フラット35S)を採用される方は、「フラット35とは」に記載の金融機関等に限定されます。
◆ 優良住宅取得支援制度(フラット35S)の技術基準概要
優良住宅取得支援制度(フラット35S)を利用する場合の技術基準の概要は、下記の4つのいずれかの基準となります。
尚、各技術基準は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度の基準ですが、必ずしも住宅性能評価書を取得する必要はありません。住宅性能表示を行なわなくてもフラット35Sを利用することができます。
◎省エネルギー性に優れた住宅
省エネルギー対策等級4の住宅。
【断熱地域区分 W地域、充填断熱工法の木造住宅の例】
- 天井160mm、外壁90mm、床90mmの断熱材を施工する。(高性能グラスウール16K相当の断熱材の場合)
- 防湿性を確保する。
- 外壁に気密層を設ける
- 窓は、複層ガラスまたは二重サッシとする。・・・・・等
※:省エネルギー性の基準は、断熱地域区分によって異なります。
省エネルギー対策等級については、「断熱性能の違いについて」を参照下さい。
また、省エネルギー性能の概要については、「建物性能の基礎知識/断熱性能」を参照下さい。
◎耐震性に優れた住宅
耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2または3、又は免震建築物であること。
【木造住宅の例】
- 壁量を確保する。
- 壁をバランスよく配置する。
- 筋かい・柱・胴差や床・屋根の接合部を強化する。
- 基礎を強化する。
- 梁などは間隔・長さに応じて必要な断面寸法を確保する。・・・・・等
※:免震建築物は、住宅性能表示制度の評価方法基準1−3に適合しているものを対象とします。
耐震等級については、「住宅性能表示(構造の安定性能)」を参照下さい。
また、耐震性能の概要については、「建物性能の基礎知識/耐震性能(耐震対策)」を参照下さい。
◎バリアフリー性に優れた住宅
高齢者等配慮対策等級3、4または5の住宅。
【戸建住宅の例】
- 高齢者等の寝室とトイレは同じ階に配置する。
- 床は段差のない構造とする。
- 階段は、安全に配慮した勾配とする。
- 階段、トイレ、浴室、玄関、脱衣室には原則として手摺を設置する。
- 介助用車椅子で通行できる廊下幅(78p)、出入口の幅(75p 浴室の出入口は60p)を確保する。・・・・・等
高齢者等配慮対策等級、及びバリアフリー性の概要については、「建物性能の基礎知識/バリアフリー性能」を参照下さい。
◎耐久性・可変性に優れた住宅
劣化対策等級3、かつ、維持管理対策等級2または3の住宅。(マンションについては、一定の更新対策が必要。)
【戸建木造住宅の例】
- 外壁に通気層を設け、柱などに耐久性の高い材料を使用する。
- 床下に防湿用のコンクリート(60mm以上)を打設する。
- 床下・小屋裏換気口を設置する。
- 配管をコンクリート内に埋め込まない。・・・・・等
※:マンションにおける更新対策の基準は、躯体天井高の確保(2.5m以上)及び間取り変更の障害となる壁又は柱がないこと。
劣化対策等級については、「耐久性能基準(劣化対策等級)の違い」を参照下さい。
また、耐久性能の概要については、「建物性能の基礎知識/耐久性能」を参照下さい。
また、維持管理対策等級、及び可変性の概要については、「建物性能の基礎知識/維持管理性能」を参照下さい。
◆ フラット35S(20年金利引下げタイプ)の技術基準概要
フラット35Sよりさらに優れた住宅を取得する場合には、当初20年間の借入金利が引下げられるフラット35S(20年金利引下げタイプ)があり、それを利用する場合の技術基準の概要は、下記の4つの基準のいずれかとなります。
◎省エネルギー性に優れた住宅
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく「住宅事業建築主の判断の基準」に適合する一戸建ての住宅。
※:「住宅事業建築主の判断の基準」への適合については、「住宅事業建築主基準に係る適合証」若しくはエコポイント対象住宅判定基準が「住宅事業建築主基準」の「エコポイント対象住宅証明書」又は「エコポイント対象住宅証明書」が必要となります。
法律関係はこちらの「住宅事業建築主の判断基準」をご覧ください。
省エネルギー対策等級については、「断熱性能の違いについて」を参照下さい。
また、省エネルギー性能の概要については、「建物性能の基礎知識/断熱性能」を参照下さい。
◎耐震性に優れた住宅
耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3に適合する住宅。
【木造住宅の例】
- 耐震等級3に見合う壁量を確保する。
- 壁をバランスよく配置する。
- 筋かい・柱・胴差や床・屋根の接合部を強化する。
- 基礎を強化する。
- 梁などは間隔・長さに応じて必要な断面寸法を確保する。・・・・・等
※:「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度の等級と同じ。尚、住宅性能評価書を取得しなくても、フラット35S(20年金利引下げタイプ)を利用できます。
耐震等級については、「住宅性能表示(構造の安定性能)」を参照下さい。
また、耐震性能の概要については、「建物性能の基礎知識/耐震性能(耐震対策)」を参照下さい。
◎バリアフリー性に優れた住宅
高齢者等配慮対策等級4または5に適合する住宅。
【戸建住宅の例】
- 高齢者等の寝室とトイレは同じ階に配置する。
- 床は段差のない構造とする。
- 階段は、安全に配慮した勾配とする。
- 階段、トイレ、浴室、玄関、脱衣室には原則として手摺を設置する。
- 介助用車椅子で通行できる廊下幅(78p)、出入口の幅(75p 浴室の出入口は60p)を確保する。・・・・・等
※:「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度の等級と同じ。尚、住宅性能評価書を取得しなくても、フラット35S(20年金利引下げタイプ)を利用できます。
高齢者等配慮対策等級、及びバリアフリー性の概要については、「建物性能の基礎知識/バリアフリー性能」を参照下さい。
◎耐久性・可変性に優れた住宅
長期優良住宅に適合する住宅。
【戸建木造住宅の例】
- 外壁に通気層を設け、柱などに耐久性の高い材料を使用する。
- 床下に防湿用のコンクリート(60mm以上)を打設する。
- 床下・小屋裏換気口を設置する。
- 配管をコンクリート内に埋め込まない。
- 床下及び小屋裏の点検口を設置すること。
- 点検のため、床下空間の有効高さを330o以上確保すること。・・・・・等
※:長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき、「長期優良住宅」の認定を受けた住宅で、長期優良住宅に係る「認定通知書」が必要です。
長期優良住宅の概要については、「長期優良住宅について」を参照下さい。
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