住まいの寿命はどれぐらいでしょう。一番耐用年数が長いとされるのは鉄筋コンクリート構造で、およそ60年と言われていますが、木造軸組工法や木造枠組工法の2×4、プレハブも耐久性を上げ、メンテナンスをしっかり行えば遜色はありません。
耐久性を左右する最大の要因は「湿気」であり、木造のみでなく鉄骨や鉄筋コンクリート造においても、雨漏りや結露は住まいの天敵。
構造体が湿気に害されると、木造は腐ったり、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は錆び、著しく構造の安全性が損なわれてしまいます。
優れた特性を持つ「木」は、ソリやたわみ、やせと言った経年変化が生じます。これは木材の中に含まれている水分に起因しています。
経年変化を防止するためには、含水率が低く、強度の高い木材を用いることが大切です。
自然素材である「木」は、腐朽したり、シロアリの害を受けることがあります。
木材が腐るのは腐朽菌によるものです。腐朽菌が生育する条件は「酸素・水分・適度な温度・栄養分」なので、この4条件のどれか1つが欠ければ腐朽は起こりません。
含水率で言えば20%以下ならば腐りません。また シロアリについても、シロアリが好む温度や湿気、栄養分のいずれかを断ち、必要な箇所に防蟻処理を施せばシロアリの害を防ぐことが出来ます。
このように建物の構造材である木材の劣化を防ぐには、「水分」・「湿気」への対策が重要なポイントとなります。
床下の湿気は、建物の耐久性を著しく損なう原因となります。防湿対策を施していない地面からは、1u当たり1時間で10g以上の水蒸気が発生していると言われています。
構造材の中でも地面に近い土台には、強度に優れ湿気に強い樹種を採用することが重要です。
木材の大敵である湿気を排除するために、床下・外壁・屋根裏の通気を十分に行う必要があります。
屋根の下地には、雨水が建物内部に入らないようにアフファルトルーフィングを施工しますが、屋根の仕上げ材を止めるための釘が、アスファルトルーフィングを貫通し雨水浸入の恐れがあります。
屋根下地には、折り曲げや釘穴シール性に優れた防水効果の高いゴムアスファルトルーフィング(改質アスファルトルーフィング)をお勧めいたします。