●住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する
設計、施工及び維持保全の指針(平成25年版)
(平成25年国土交通省告示第907号)
赤字にて表現している箇所が従前から改正された内容です。
ピンク色表示は平成25年改訂版のポイント及び備考です。 → 平成25年に改訂されています。改訂前平成21年の内容についてはこちらへ
この指針は、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断基準(平成25年経済産業省・国土交通省告示第1号。以下「判断基準」という。)のIの第2及びIIの規定に準拠して、住宅の設計、施工及び維持保全に関する指針を定め、住宅についてのエネルギーの効率的利用のための措置の的確な実施を確保することを目的とする。
「判断基準」が平成25年に変更され、使用の合理化に関する措置から、効率的利用のための措置に変更されています。
2、 | 外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準 |
外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準については、判断基準のIの第2の2の1−3から1−5までの規定にかかわらず、次に定めるところによることができるものとする。
判断基準のIの第2の1の1−3(1)イに規定する外皮平均熱貫流率UAについては、別表第1から別表第7までに掲げる仕様の熱貫流率を用いた計算又はこれらの値を求めた計算と同等以上の性能を有することを確かめることができる計算により求めた第 j 部位の熱貫流率UHi及び第 i 基礎等の外周の熱貫流率UFHiを用いて算出し、地域区分に応じて、判断基準のIの第2の1の1−3(1)の表に掲げる基準値以下とすること。
判断基準のIの第2の1の1−3(2)イに規定する冷房期の平均日射熱取得率ηAについては、別表第1から別表第7までに掲げる仕様の日射熱取得率を用いた計算又はこれらの値を求めた計算と同等以上の性能を有することを確かめることができる計算により求めた第 j 方位における外皮等の第 i 部位の日射熱取得率ηijを用いて算出し、地域区分に応じて、判断基準のIの第2の1の1−3(2)の表に掲げる基準値以下とすること。
断熱材の施工に当たっては、次に掲げる事項に配慮すること。
(イ) | 断熱材は、必要な部分に隙間なく施工すること。 |
(ロ) | 外壁の内部の空間が天井裏又は床裏に対し開放されている住宅の当該外壁に充填断熱工法により断熱施工する場合にあっては、当該外壁の上下端部と床、天井又は屋根との取合部に気流止めを設けること。 |
(ハ) | 間仕切壁と天井又は床との取合部において、間仕切壁の内部の空間が天井裏又は床裏に対し開放されている場合にあっては、当該取合部に気流止めを設けること。なお、屋根を断熱及び日射遮蔽のための措置を講じた構造(以下「断熱構造」という。)とする天井裏又は基礎を断熱構造
とする床裏にある当該取合部については、この限りでない。 |
(ニ) | グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー等の繊維系断熱材、プラスチック系断熱材(工業標準化法(昭和24年法律第185号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)A9511(発泡プラスチック保温材)に規定するもの(A種フェノールフォーム3種2号を除く。)、日本工業規格A9526(建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム)に規定する吹付け硬質ウレタンフォームA種1又はA種2に適合するもの及びこれらと同等以上の透湿抵抗を有するものを除く。)その他これらに類する透湿抵抗の小さい断熱材を使用する場合にあっては、防湿層(断熱層(断熱材で構成される層をいう。以下同じ。)の室内側に設けられ、防湿性が高い材料で構成される層であって、断熱層への漏気や水蒸気の侵入を防止するものをいう。)を設けること。ただし、結露の発生の防止に有効な措置が講じられていることが確かめられた場合にあっては、この限りでない。 |
2のタイトル 「断熱構造とする部分」 から、「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準」 に変更され、、従前の「断熱構造とする部分」は、当告示附則5の(1)に記載されています。また、従前の5に記載の「施工に関する基準」が、ここの(3)に記載され、(ニ)の一部が追記されています。
尚、本来変更箇所について赤字で表現していますが、2の「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準」全てが改訂されていますので2のタイトル以外黒字表示((3)以外)とします。
判断基準のIの第2の2に規定する一次エネルギー消費量に関する基準にかかわらず、次に定めるところによることができるものとする。
(1) | 判断基準のIの第2の2の2−3(1)に規定する単位住戸の設計一次エネルギー消費量Εtについては、前項により算出した第 i 部位の熱貫流率UHi、第 j 基礎等の外周の熱貫流率UFHj及び第 i 部位の日射熱取得率ηtjを用いて求めた暖房負荷及び冷房負荷を勘案して算出し、判断基準のIの第2の2の2−2(1)に定める単位住戸の基準一次エネルギー消費量Εstを上回らないようにすること。 |
(2) | 判断基準のIの第2の2の2−3(2)に規定する共同住宅等全体の設計一次エネルギー消費量については、(1)により算出した各単位住戸の設計一次エネルギー消費量の合計に、共用部の設計一次エネルギー消費量を加算した値が、判断基準のIの第2の2の2−2(2)に規定する共同住宅等全体の基準一次エネルギー消費量Est,allを上回らないようにすること。 |
3のタイトル 「躯体の断熱性能等に関する基準」 から、「一次エネルギー消費量に関する基準」 に変更されています。
また、従前のタイトル 「躯体の断熱性能等に関する基準」 は、当告示附則5の(2)に記載されています。
本来変更箇所について赤字で表現していますが、3全て改訂されていますのでタイトル以外黒字表示とします。
維持保全に関する基準については、判断基準のIIの規定にかかわらず、次に定めるところによることができるものとする。
(1) | 躯体(屋根(小屋裏又は天井裏が外気に通じているものを除く。以下同じ。)又はその直下の天井、外気等(外気又は外気に通じる床裏、小屋裏若しくは天井裏をいう。以下同じ。)に接する天井、壁、床(地盤面をコンクリートその他これに類する材料で覆ったもの又は床裏が外気に通じないもの(以下「土間床等」という。)を除く。以下同じ。)及び外周が外気等に接する土間床等をいう。以下同じ。)及び開口部の断熱性能等に係る維持保全については、その断熱性能等の低下を抑制するため、次のイからハまでに掲げる項目について定期的に点検し、必要に応じて適切に補修すること。 |
- 屋根及び外壁の表面のひび割れ、剥がれ等の有無
- 開口部の建具の破損、隙間等の有無
- ひさし、軒その他日射の侵入を防止する部分の破損の有無
(2) | 空気調和設備等の省エネルギー性能に係る維持保全については、判断基準のIIの1−2から1−7までに掲げる事項によるものとする。 |
4のタイトル 「開口部の断熱性能等に関する基準」 から、「維持保全に関する基準」 に変更されています。
従前のタイトル 「開口部の断熱性能等に関する基準」 は、当告示附則5の(3)に記載されています。
本来変更箇所について赤字で表現していますが、4全て改訂されていますのでタイトル以外黒字表示とします。
附 則
(施行期日)
2 | この告示の適用については、前項の規定にかかわらず、平成27年3月31日までの間は、なお従前の例によることができる。 |
3 | 建築物の増築、修繕若しくは模様替又は空気調和設備等の設置若しくは改修に対するこの告示の適用については、前2項の規定にかかわらず、当分の間、なお従前の例によることができる。 |
4 | この告示の施行前のエネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)第75条第1項前段又は第75条の2第1項前段の規定に基づく届出がされた建築物に対する同第75条第1項後段又は同第75条の2第1項後段の規定に基づく変更の届出に係るこの告示の適用については、前3項の規定にかかわらず、当分の間、なお従前の例によることができる。 |
5 | 外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準については、 当分の間、この告示の2((3)の規定を除く。)の規定にかかわらず、次の(1)から(3)に定めるところによることができる。ただし、次のイ又はロのいずれかに該当する場合を除く。・・・・・・(仕様基準) |
イ | 鉄筋コンクリート造、組積造その他これらに類する構造(以下「鉄筋コンクリート造等」という。)の住宅において、当該住戸の過半の床が外気、外気に通じる床裏又はこれらと同様の熱的環境の空間に接している場合 |
ロ | 外皮等面積の合計に占める開口部面積の合計の割合(以下「開口部比率」という。)が、住宅の種類及び地域区分に応じ、次の表に掲げる値以上の場合 |
| 躯体及び開口部については、地域区分に応じ、断熱構造とすること。ただし、次のイからホまでのいずれかに該当するもの又はこれらに類するものについては、この限りでない。 |
- 居室に面する部位が断熱構造となっている物置、車庫又はこれらと同様の空間の居室に面する部位以外の部位
- 外気に通じる床裏、小屋裏又は天井裏に接する外壁
- 断熱構造となっている外壁から突き出した軒、袖壁、ベランダその他これらに類するもの
- 玄関・勝手口その他これらに類する部分における土間床部分
- 断熱構造となっている浴室下部における土間床部分
「断熱構造とする部分」について、従前の2、「断熱構造とする部分」と若干の言い回しの違いは有るが、内容については変わりがない。
| 躯体を(1)に定めるところにより断熱構造とする場合にあっては、次のイ及びハ又はロ及びハに定める基準によること。 |
| 鉄筋コンクリート造等の住宅にあっては熱橋(構造部材、下地材、窓枠下材その他断熱構造を貫通する部分であって、断熱性能が周囲の部分より劣るものをいう。以下同じ。)となる部分を除いた熱貫流率が、その他の住宅にあっては熱橋となる部分(壁に設けられる横架材を除く。)による低減を勘案した熱貫流率が、それぞれ断熱材の施工法、部位及び地域区分に応じ、次の表に掲げる基準値以下であること。 |
「躯体の熱貫流率の基準」について、従前の3の(1)、「躯体の熱貫流率の基準」と若干の言い回しの違いは有るが、内容については変わりがない。
また、表については地域区分の変更により6区分から8区分に変更され、表内下部に3が追記されています。
(イ) | 各部位の断熱材の熱抵抗が、住宅の種類、断熱材の施工法及び地域区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上であること。ただし、鉄骨造の住宅の壁であって外張断熱工法及び内張断熱工法以外のものにあっては、(ロ)によるものとする。 |
「断熱材の熱抵抗の基準」について、従前の3の(2)の(イ)、「断熱材の熱抵抗の基準」と変わりがない。
表については地域区分の変更により6区分から8区分に変更、また、表内下部が10から8(1〜7については従前と同じ)に変更されています。
(ロ) | 鉄骨造の住宅の壁であって外張断熱工法及び内張断熱工法以外のものにあっては、壁に施工する断熱材の熱抵抗が、地域、外装材(鉄骨柱及び梁の外気側において、鉄骨柱又は梁に直接接続する面状の材料をいう。)の熱抵抗、鉄骨柱が存する部分以外の壁(以下「一般部」という。)の断熱層を貫通する金属製下地部材(以下「金属部材」という。)の有無及び断熱材を施工する箇所の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上であること。 |
5の(2)のロの(ロ)について、従前の3の(2)の(ロ)と若干の言い回しの違いは有るが、内容については変わりがない。
また、表については地域区分の変更により6区分から8区分に変更されましたが、数字的には変更なし。
| 鉄筋コンクリート造等の住宅の床、間仕切壁等が断熱層を貫通する部分(乾式構造による界壁、間仕切壁等の部分及び玄関床部分を除く。以下「構造熱橋部」という。)においては、断熱材の施工法及び地域区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上となる熱抵抗の断熱補強(構造熱橋部に断熱材等を補うことにより断熱性能を強化することをいう。以下同じ。)を、床、仕切壁等の両面に行うこと。
なお、柱、梁等が壁又は床の断熱層を貫通する場合は、壁又は床から柱、梁等の突出先端部までの長さが900ミリメートル未満の場合は当該柱、梁等がないものとして扱うこととする。 |
5の(2)のハの「構造熱橋部の基準」については、従前の3の(3)の「構造熱橋部の基準」が簡素化されました。
また、表については地域区分の変更により6区分から8区分に変更されましたが、基準値の数字には変更なし。
| 開口部を(1)に定めるところにより断熱構造とする場合にあっては、次の表に掲げる住宅の種類及び地域区分に応じた開口部比率の区分に応じ、次のイ及びロに定める基準によることとする。 |
イ | 開口部(窓の面積(当該窓が二以上の場合においては、その合計の面積。以下ロにおいて同じ。)が住宅の床面積の合計に0.02 を乗じた値以下となるものを除くことができる。)の熱貫流率が、開口部比率の区分及び地域区分に応じ、次の表に掲げる基準値以下であること。 |
ロ | 開口部(直達光が入射する天窓以外の窓で、当該窓の面積が住宅の床面積の合計に0.04 を乗じた値以下となるものを除くことができる。)の建具、付属部材、ひさし、軒その他日射の侵入を防止する部分が、住宅の種類、地域区分及び開口部比率の区分に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又はこれと同等以上の性能を有するものであること。 |
5の(3)の「開口部の断熱性能等に関する基準」については、従前の4の「開口部の断熱性能に関する基準」が簡素化されました。
6 | 一次エネルギー消費量に関する基準については、当分の間、この告示の3の規定にかかわらず、
次の(1)から(3)に定めるところによることができる。 |
(1) | 当該住戸の形状について、外皮等面積の合計を床面積の合計で除した数値(外皮面積比率の基準)が、住宅の種類及び地域区分に応じ、次の表に掲げる値又は計算式により求められる値以下であること。 |
| 上記の表中の計算式において、Ai,bw、Atotal及びηは、それぞれ次の数値を表すものとする。 |
Ai,bw | : 該住戸の第 i 界壁、界床等の面積(単位 平方メートル) |
Atotal | : 当該住戸の床面積の合計 (単位 平方メートル) |
(2) | 暖房、冷房、全般換気、照明及び給湯のそれぞれの設備について、イからホまでに示す事項に該当すること。 |
イ | 当該住戸に採用する暖房設備が、暖房方式、運転方式及び地域区分(8地域を除く。)に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は判断基準においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
ロ | 当該住戸に採用する冷房設備が、冷房方式及び運転方式に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は判断基準においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
ハ | 当該住戸に採用する全般換気設備の比消費電力(熱交換換気設備を採用する場合は、比消費電力を有効換気量率で除した値)が、換気回数0.5回以下の場合において、0.3(単位 1時間につき1立方メートル当たりのワット)以下であること又は判断基準においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
ニ | 当該住戸に採用する照明設備について、非居室に白熱灯又はこれと同等以下の性能の照明設備を採用しないこと。 |
ホ | 当該住戸に採用する給湯設備(排熱利用設備を含む)が、地域区分に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は判断基準においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
(3) | 判断基準のIの第2の2の2−3(2)に規定する共用部の設計一次エネルギー消費量が、判断基準のIの第2の2の2−2(2)に定める共用部の空気調和設備の基準一次エネルギー消費量Εsac、共用部の機械換気設備の基準一次エネルギー消費量Εsv、共用部の照明設備の基準一次エネルギー消費量Εsl、共用部の給湯設備の基準一次エネルギー消費量Εsw及び共用部の昇降機の基準一次エネルギー消費量Εsevの合計値を上回らないようにするものとする。 |
(廃止)
尚、このページに記載する「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の「設計・施工指針」は、エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準(平成25年経済産業省・国土交通省告示第1号。以下「判断基準」という。)のIの第2及びIIの規定に準拠して、住宅の設計、施工及び維持保全に関する指針を定め、住宅についてのエネルギーの効率的利用のための措置の適確な実施を確保することを目的とする。 |
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建築物省エネ法の戸建住宅の評価方法
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建築物省エネ法省令(平成28年版)
建築主の判断基準(平成28年改訂版)
断熱材の地域区分(平成25年版)別表4
建築主の判断基準(平成25年改訂版) 設計、施工指針(平成25年改訂版)
事業建築主の判断基準(トップランナー基準)
断熱地域区分別表1(平成21年版) 断熱地域区分別表2(平成21年版)
建築主の判断基準(平成21年改訂版) 設計・施工指針(平成21年改訂版)
断熱地域区分別表1(平成18年版) 断熱地域区分別表2(平成18年版)
建築主の判断基準(平成18年版) 設計、施工指針(平成18年版)