目次
1 外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準
(1) 断熱構造とする部分
(2) 外皮の断熱性能等に関する基準
イ、 外皮の熱貫流率の基準
ロ、 断熱材の熱抵抗の基準
ハ、 構造熱橋部の基準
(3) 開口部の断熱性能等に関する基準
2 一次エネルギー消費量に関する基準
(1) 暖房・冷房・換気・照明・給湯設備について
(2) 単位住戸の数が二以上である場合
●建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令
「住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準」(平成28年版)
(国土交通省告示第266号)
ピンク色表示は従前の平成25年版「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」に対して改訂施行されたポイント及び備考です。
→ 改訂前平成25年の内容についてはこちらへ
| 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第
1項第2号イ(2)の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する国土交通大臣が定める基準は、次のとおりとする。ただし、鉄筋コンクリート造、組積造その他これらに類する構造(以下「鉄筋コンクリート造等」という。)の単位住戸(同号イ(1)に規定する単位住戸をいう。以下同じ。)の過半の床が外気、外気に通じる床裏又はこれらと同様の熱的環境の空間に接している場合を除く。 |
※外皮等面積の合計に占める開口部面積の合計の割合(開口部比率)が、削除されている。従前において開口部比率が高い建築物は、この告示の対応(仕様基準)が適合できなかったが制限がなくなった。
| 外皮については、地域の区分(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第2号イ(1)の地域の区分をいう。以下同じ。)に応じ、断熱及び日射遮蔽のための措置を講じた構造(以下「断熱構造」という。)とすること。ただし、次のイからヘまでのいずれかに該当するもの又はこれらに類するものについては、この限りでない。 |
イ、 | 居室に面する部位が断熱構造となっている物置、車庫又はこれらと同様の空間の居室に面
する部位以外の部位 |
ロ、 | 外気に通じる床裏、小屋裏又は天井裏に接する外壁 |
ハ、 | 断熱構造となっている外壁から突き出した軒、袖壁又はベランダ |
ニ、 | 玄関、勝手口その他これらに類する部分における土間床部分 |
ホ、 | 断熱措置がとられている浴室下部における土間床部分 |
へ、 | 単位住戸の外皮が当該単位住戸と同様の熱的環境の空間に接している場合における当該外皮 |
※断熱構造とする部分に、へが追記されています。
| 外皮(開口部を除く。)を(1)に定めるところにより断熱構
造とする場合にあっては、次のイ又はロに定める基準及びハに定める基準によること。 |
| 鉄筋コンクリート造等の単位住戸にあっては熱橋(構造部材、下地材、窓枠下材その他断熱構造を貫通する部分であって、断熱性能が周囲の部分より劣るものをいう。以下同じ。)となる部分を除いた外皮の熱貫流率(内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって、当該部位を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ、熱橋により貫流する熱量等を勘案して算出したものをいう。以下同じ。)が、その他の単位住戸にあっては熱橋となる部分(壁に設けられる横架材を除く。)による低減を勘案した外皮の熱貫流率が、それぞれ断熱材の施工法、部位及び地域の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以下であること。 |
単位住戸の種類 | 断熱材の施工法 | 部位 | 熱貫流率の基準値(1u1度につきワット) |
地域区分 |
1及び2 | 3 | 4、5、6及び7 | 8 |
鉄筋コンクリート造等の単位住戸 | 内断熱工法 | 屋根又は天井 | 0.27 | 0.35 | 0.37 | 0.53 |
壁 | 0.39 | 0.49 | 0.75 | − |
床 | 外気に接する部分 | 0.27 | 0.32 | 0.37 | − |
その他の部分 | 0.38 | 0.46 | 0.53 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 0.52 | 0.62 | 0.98 | − |
その他の部分 | 1.38 | 1.60 | 2.36 | − |
外断熱工法 | 屋根又は天井 | 0.32 | 0.41 | 0.43 | 0.62 |
壁 | 0.49 | 0.58 | 0.86 | − |
床 | 外気に接する部分 | 0.27 | 0.32 | 0.37 | − |
その他の部分 | 0.38 | 0.46 | 0.53 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 0.52 | 0.62 | 0.98 | − |
その他の部分 | 1.38 | 1.60 | 2.36 | − |
その他の単位住戸 | − | 屋根又は天井 | 0.17 | 0.24 | 0.24 | 0.24 |
壁 | 0.35 | 0.53 | 0.53 | − |
床 | 外気に接する部分 | 0.24 | 0.24 | 0.34 | − |
その他の部分 | 0.34 | 0.34 | 0.48 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 0.27 | 0.27 | 0.52 | − |
その他の部分 | 0.71 | 0.71 | 1.38 | − |
備考
- 鉄筋コンクリート造等の単位住戸において、「内断熱工法」とは構造体の内側に断熱施工する方法をいい、「外断熱工法」とは構造体の外側に断熱施工する方法をいう。以下同じ。
- 単位住戸において複数の単位住戸の種類又は断熱材の施工法を採用している場合にあっては、それぞれの単位住戸の種類又は断熱材の施工方法に応じた各部位の熱貫流率の基準値を適用するものとする。
- 土間床等とは、地盤面をコンクリートその他これに類する材料で覆ったもの又は床裏が外気に通じないものをいう。以下同じ。
- 土間床等の外周部分の基礎は、基礎の外側又は内側のいずれか又はその両方において、断熱材が地盤面に対して垂直であり、かつ、熱貫流率が表に掲げる基準値以下となる仕様で基礎底盤上端から基礎天端まで連続して施工されたもの又はこれと同等以上の断熱性能を確保できるものとしなければならない。
|
※外皮の断熱性能等に関する基準について、言い回しの違いはあるが基本的には変更されていない。尚、土間床等の外周部分の熱貫流率の基準値の数値が、その他の単位住戸の外気に接する部分は従前より低くなり、それ以外は従前より高く改訂されています。
(イ) | 各部位(鉄骨造の単位住戸の壁であって断熱材の施工法が外張断熱工法(木造、枠組壁工法又は鉄骨造の単位住戸において、屋根及び天井にあっては屋根たる木、小屋梁及び軒桁の外側、壁にあっては柱、間柱及びたて枠の外側、外気に接する床にあっては床組材の外側に断熱施工する方法をいう。以下同じ。)及び内張断熱工法(木造、枠組壁工法又は鉄骨造の単位住戸において、壁において柱及び間柱の内側に断熱施工する方法をいう。以下同じ。)以外であるものを除く。)の断熱材の熱抵抗が、単位住戸の種類、断熱材の施工法及び地域の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上であること。 |
単位住戸の種類 | 断熱材の施工法 | 部位 | 断熱材の熱抵抗の基準値(1ワットにつきu・度) |
地域区分 |
1及び2 | 3 | 4、5、6及び7 | 8 |
鉄筋コンクリート造等の単位住戸 | 内断熱工法 | 屋根又は天井 | 3.6 | 2.7 | 2.5 | 1.6 |
壁 | 2.3 | 1.8 | 1.1 | − |
床 | 外気に接する部分 | 3.2 | 2.6 | 2.1 | − |
床 | その他の部分 | 2.2 | 1.8 | 1.5 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 1.7 | 1.4 | 0.8 | − |
その他の部分 | 0.5 | 0.4 | 0.2 | − |
外断熱工法 | 屋根又は天井 | 3.0 | 2.2 | 2.0 | 1.4 |
壁 | 1.8 | 1.5 | 0.9 | − |
床 | 外気に接する部分 | 3.2 | 2.6 | 2.1 | − |
その他の部分 | 2.2 | 1.8 | 1.5 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 1.7 | 1.4 | 0.8 | − |
その他の部分 | 0.5 | 0.4 | 0.2 | − |
木造の単位住戸 | 充填断熱工法 | 屋根又は天井 | 屋根 | 6.6 | 4.6 | 4.6 | 4.6 |
天井 | 5.7 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 3.3 | 2.2 | 2.2 | − |
床 | 外気に接する部分 | 5.2 | 5.2 | 3.3 | − |
その他の部分 | 3.3 | 3.3 | 2.2 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 3.5 | 3.5 | 1.7 | − |
その他の部分 | 1.2 | 1.2 | 0.5 | − |
枠組壁工法の単位住戸 | 充填断熱工法 | 屋根又は天井 | 屋根 | 6.6 | 4.6 | 4.6 | 4.6 |
天井 | 5.7 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 3.6 | 2.3 | 2.3 | − |
床 | 外気に接する部分 | 4.2 | 4.2 | 3.1 | − |
その他の部分 | 3.1 | 3.1 | 2.0 | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 3.5 | 3.5 | 1.7 | − |
その他の部分 | 1.2 | 1.2 | 0.5 | − |
木造、枠組壁工法又は鉄骨造の単位住戸 | 外張断熱工法又は内張断熱工法 | 屋根又は天井 | 5.7 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 2.9 | 1.7 | 1.7 | − |
床 | 外気に接する部分 | 4.2 | 2.5 | 3.8 | − |
その他の部分 | − | − | − | − |
土間床等の外周部分の基礎 | 外気に接する部分 | 3.5 | 3.5 | 1.7 | − |
その他の部分 | 1.2 | 1.2 | 0.5 | − |
備考
- 木造又は枠組壁工法の単位住戸において、「充填断熱工法」とは、屋根にあっては屋根組材の間、天井にあっては天井面、壁にあっては柱、間柱、たて枠の間及び外壁と内壁との間、床にあっては床組材の間に断熱施工する方法をいう。以下同じ。
- 単位住戸において複数の単位住戸の種類又は断熱材の施工法を採用している場合にあっては、それぞれの単位住戸の種類又は断熱材の施工法に応じた各部位の断熱材の熱抵抗の基準値を適用するものとする。
- 鉄筋コンクリート造等の単位住戸における一の部位において内断熱工法と外断熱工法を併用している場合にあっては、外側の断熱材の熱抵抗と内側の断熱材の熱抵抗の合計値について、表に掲げる内断熱工法の基準値により判定できるものとする。
- 木造又は枠組壁工法の単位住戸における一の部位において充填断熱工法と外張断熱工法を併用している場合にあっては、外張部分の断熱材の熱抵抗と充填部分の断熱材の熱抵抗の合計値について、表に掲げる充填断熱工法の基準値により判定できるものとする。
- 土間床等の外周にあっては、基礎の外側又は内側のいずれか又はその両方において、断熱材が地盤面に対して垂直であり、かつ、基礎底盤上端から基礎天端まで連続して施工されたもの又はこれと同等以上の断熱性能を確保できるものとしなければならない。
- 一戸建ての住宅にあっては、表において、床の外気に接する部分のうち当該一戸建ての住宅の床面積の合計に0.05を乗じた面積以下の部分については、その他の部分とみなすことができる。
|
※各部位の断熱材の熱抵抗基準値について、言い回しの違いはあるが従前と同じ。
(ロ) | 鉄骨造の単位住戸の壁であって断熱材の施工法が外張断熱工法及び内張断熱工法以外であるものの当該断熱材の熱抵抗が、地域の区分、外装材(鉄骨柱及び梁の外気側において鉄骨柱又は梁に直接接続する面状の材料をいう。以下(ロ)において同じ。)の熱抵抗、鉄骨柱が存する部分以外の壁(以下(ロ)において「一般部」という。)の断熱層を貫通する金属製下地部材(以下(ロ)において「金属部材」という。)の有無及び断熱材を施工する箇所の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上であること。 |
地域区分 | 外装材の熱抵抗 | 一般部の断熱層を貫通する金属部材の有無 | 断熱材の熱抵抗の基準値(1ワットにつきu・度) |
断熱材を施工する箇所の区分 |
鉄骨柱、鉄骨梁部分 | 一般部 | 一般部の断熱層を貫通する金属部材 |
1及び2 | 0.56以上 | 無し | 1.91 | 2.12 | − |
有り | 1.91 | 3.57 | 0.72 |
0.15以上0.56未満 | 無し | 1.91 | 2.43 | − |
有り | 1.91 | 3.57 | 1.08 |
0.15未満 | 無し | 1.91 | 3.00 | − |
有り | 1.91 | 3.57 | 1.43 |
3 | 0.56以上 | 無し | 0.63 | 1.08 | − |
有り | 0.63 | 2.22 | 0.33 |
0.15以上0.56未満 | 無し | 0.85 | 1.47 | − |
有り | 0.85 | 2.22 | 0.50 |
0.15未満 | 無し | 1.27 | 1.72 | − |
有り | 1.27 | 2.22 | 0.72 |
4、5、6、7及び8 | 0.56以上 | 無し | 0.08 | 1.08 | − |
有り | 0.08 | 2.22 | 0.33 |
0.15以上0.56未満 | 無し | 0.31 | 1.47 | − |
有り | 0.31 | 2.22 | 0.50 |
0.15未満 | 無し | 0.63 | 1.72 | − |
有り | 0.63 | 2.22 | 0.72 |
※鉄骨造の単位住戸の壁であって断熱材の施工法が外張断熱工法及び内張断熱工法以外
であるものの当該断熱材の熱抵抗が、地域の区分、外装材の熱抵抗、鉄骨柱が存する部分以外の壁断熱層を貫通する金属製下地部材の有無及び断熱材を施工する箇所の区分に応について、言い回しの違いはあるが従前と同じ。
| 鉄筋コンクリート造等の単位住戸の床、間仕切壁等が断熱層を貫通する部分(乾式構造による界壁、間仕切壁等の部分及び玄関床部分を除く。以下「構造熱橋部」という。)においては、断熱材の施工法及び地域の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上となる熱抵抗の断熱補強(構造熱橋部に断熱材等を補うことにより断熱性能を強化することをいう。以下同じ。)を、床、間仕切壁等の両面に行うこと。この場合において、柱、梁等が壁又は床の断熱層を貫通し、かつ、壁又は床から柱、梁等の突出先端部までの長さが900ミリメートル未満であるときは、当該柱、梁等がないものとして扱うこととする。 |
断熱材の施工法 | 地域区分 |
1及び2 | 3及び4 | 5、6及び7 | 8 |
内断熱工法 | 断熱補強の範囲 | 900 | 600 | 450 | − |
断熱補強の熱抵抗の基準値単位1ワットにつきu・度) | 0.6 | 0.6 | 0.6 | − |
外断熱工法 | 断熱補強の範囲 | 450 | 300 | 200 | − |
断熱補強の熱抵抗の基準値単位1ワットにつきu・度) | 0.6 | 0.6 | 0.6 | − |
※構造熱橋部の基準ついて、言い回しの違いはあるが従前と同じ。
| 開口部を(1)に定めるところにより断熱構造とする場合にあっては、次の表に掲げる建築物の種類及び地域の区分に応じた外皮面積の合計に占める開口部の面積の合計の割合(以下「開口部比率」という。)の区分に応じ、次のイ及びロに定める基準によること。 |
建物の種類 | 開口部比率の区分 | 地域区分 |
1、2及び3 | 4、5、6及び7 | 8 |
一戸建ての住宅 | (い) | 0.07未満 | 0.08未満 | 0.08未満 |
(ろ) | 0.07以上0.09未満 | 0.08以上0.11未満 | 0.08以上0.11未満 |
(は) | 0.09以上0.11未満 | 0.11以上0.13未満 | 0.11以上0.13未満 |
(に) | 0.11以上 | 0.13以上 | 0.13以上 |
一戸建ての住宅以外の住宅以外の住宅及び複合建築物 | (い) | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 |
(ろ) | 0.05以上0.07未満 | 0.05以上0.07未満 | 0.05以上0.07未満 |
(は) | 0.07以上0.09未満 | 0.07以上0.08未満 | 0.07以上0.08未満 |
(に) | 0.09以上 | 0.08以上 | 0.08以上 |
※開口部比率ついて、言い回しの違いはあるが従前と同じ。但し、開口部比率の区分に(に)が増えている。
イ、 | 開口部(窓の面積(当該窓が二以上の場合においては、その合計の面積。ロにおいて同じ。)が単位住戸の床面積に0.02を乗じた数値以下となるものを除くことができる。)の熱貫流率が、開口部比率の区分及び地域の区分に応じ、次の表に掲げる基準値以下であること。 |
開口部比率の区分 | 熱貫流率の基準値(1u1度につきワット) |
地域区分 |
1、2及び3 | 4 | 5、6及び7 | 8 |
(い) | 2.91 | 4.07 | 6.51 | − |
(ろ) | 2.33 | 3.49 | 4.65 | − |
(は) | 1.90 | 2.91 | 4.07 | − |
(に) | 1.60 | 2.33 | 3.49 | − |
※開口部の熱貫流率ついて、言い回しの違いはあるが従前と同じ。但し、開口部比率の区分に(に)が増えている。
ロ、 | 開口部(直達光が入射する天窓以外の窓で、当該窓の面積が単位住戸の床面積に0.04を乗じた数値以下となるものを除くことができる。)の建具、付属部材(紙障子、外付けブラインド(窓の直近外側に設置され、金属製スラット等の可変により日射調整機能を有するブラインドをいう。)及びその他これらと同等以上の日射遮蔽性能を有し、開口部に建築的に取り付けられるものをいう。以下ロにおいて同じ。)及びひさし、軒等(オーバーハング型の日除けで、外壁からの出寸法がその下端から窓下端までの高さの0.3倍以上のものをいう。以下ロにおいて同じ。)が、建築物の種類、地域の区分及び開口部比率の区分に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又はこれと同等以上の性能を有するものであること。 |
建築物の種類 | 地域区分 | 開口部比率の区分 | 建具の種類若しくはその組合せ又は付属部材若しくはひさし、軒等の設置に関する事項 |
一戸建ての住宅 | 1、2、3及び4 | (い) | − |
(ろ) | − |
(は) | − |
(に) | − |
5、6及び7 | (い) | − |
(ろ) | 次のイ又はロに該当するもの
- ガラスの日射熱取得率が0.74以下であるもの
- 付属部材又はひさし、軒等を設けるもの
|
(は)及び(に) | 次のイ、ロ又はハに該当するもの
- ガラスの日射熱取得率が0.49以下であるもの
- ガラスの日射熱取得率が0.74以下のものに、ひさし、軒等を設けるもの
- 付属部材(南±22.5度に設置するものについては、外付けブラインドに限る。)を設けるもの
|
8 | (い) | 付属部材又はひさし、軒等を設けるもの |
(ろ) | 次のイ又はロに該当するもの
- ガラスの日射熱取得率が0.68以下のものに、ひさし、軒等を設けるもの
- 付属部材を設けるもの
|
(は)及び(に) | ガラスの日射熱取得率が0.49以下のものに、付属部材(南±22.5度に設置するものについては、外付けブラインドに限る。)又はひさし、軒等を設けるもの |
一戸建ての住宅以外の住宅及び複合建築物 | 1、2、3及び4 | (い) | − |
(ろ) | − |
(は) | − |
(に) | − |
5、6及び7 | (い) | − |
(ろ) | − |
(は) | − |
(に) | − |
8 | (い) | − |
(ろ) | 付属部材又はひさし、軒等を設けるもの |
(は)及び(に) | 次のイ又はロに該当するもの
- ガラスの日射熱取得率が0.68以下のものに、ひさし、軒等を設けるもの
- 付属部材を設けるもの
|
備考
ガラスの日射熱取得率」は、日本工業規格R3106(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)に定める測定方法によるものとする。
|
※開口部の建具、付属部材及びひさし、軒等について、言い回しの違いはあるが従前と同じ。但し、開口部比率の区分に(に)が増えている。
| 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第2号ロ(2)の一次エネルギー消費量に関する国土交通大臣が定める基準は、次のとおりとする。 |
※外皮等面積の合計を床面積の合計で除した数値基準が削除されている。従前においてこの基準値が高い建築物は、この告示の対応(仕様基準)が適合できなかったが制限がなくなった。
(1) | 暖房設備、冷房設備、全般換気設備、照明設備及び給湯設備のそれぞれについて、次のとおりとする。ただし、浴室等(浴室その他浴槽又は身体の清浄を目的とした設備を有する室をいう。)、台所及び洗面所が無い場合は、ホの規定は適用しない。 |
イ、 | 単位住戸に採用する暖房設備が、暖房方式、運転方式及び地域の区分(地域の区分の8を除く。)に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項(平成28年国土交通省告示第265号)に定める算出方法を用いる方法においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
暖房方式 | 運転方式 | 暖房設備及びその効率に関する事項 |
地域区分 |
1、2、3及び4 | 5、6及び7 |
単位住戸全体を暖房する方式 | ダクト式セントラル空調機であって、ヒートポンプを熱源とするもの |
居室のみを暖房する方式 | 連続運転 | 石油熱源機を用いた温水暖房用パネルラジエーターであって、日本工業規格S3031に規定する熱効率が83.0%以上であり、かつ、配管に断熱被覆があるもの | ガス熱源機を用いた温水暖房用パネルラジエーターであって、日本工業規格S2112に規定する熱効率が82.5%以上であり、かつ、配管に断熱被覆があるもの |
居室のみを暖房する方式 | 間歇運転 | 強制対流式の密閉式石油ストーブであって、日本工業規格S3031に規定する熱効率が86.0%以上であるもの | ルームエアコンディショナーであって、日本工業規格B8615-1に規定する暖房能力を消費電力で除した数値が、以下の算出式により求められる基準値以上であるもの−0.321×暖房能力(単位キロワット)+6.16 |
ロ、 | 単位住戸に採用する冷房設備が、冷房方式及び運転方式に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項に定める算出方法を用いる方法においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
冷房方式 | 運転方式 | 冷房設備及び
その効率に関する事項 |
居室のみを冷房する方式 | ダクト式セントラル空調機であって、ヒートポンプを熱源とするもの |
居室のみを冷房する方式 | 間歇運転 | ルームエアコンディショナーであって、日本工業規格B8615-1に規定する冷房能力を消費電力で除した数値が、以下の算出式により求められる基準値以上であるもの−0.504×冷房能力(単位キロワット)+5.88 |
ハ、 | 単位住戸に採用する全般換気設備の比消費電力(熱交換換気設備を採用する場合にあっては、比消費電力を有効換気量率で除した値)が、換気回数が0.5回以下の場合において、0.3(単位1時間につき1立方メートル当たりのワット)以下であること又は建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項に定める算出方法を用いる方法においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
ニ、 | 単位住戸に採用する照明設備について、非居室に白熱灯又はこれと同等以下の性能の照明設備を採用しないこと。 |
ホ、 | 単位住戸に採用する給湯設備(排熱利用設備を含む。)が、地域の区分に応じ、次の表に掲げる事項に該当するもの又は建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項に定める算出方法を用いる方法においてこれと同等以上の評価となるものであること。 |
地域区分 |
1、2、3及び4 | 5、6、7及び8 |
石油給湯機であって、日本工業規格S2075に基づくモード熱効率が81.3%以上であるもの | ガス給湯機であって、日本工業規格S2075に基づくモード熱効率が78.2%以上であるもの |
(2) | 住宅部分の単位住戸の数が二以上である場合にあっては、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第4条第3項に規定する共用部分の設計一次エネルギー消費量が、同令第5条第3項に規定する共用部分の基準一次エネルギー消費量を超えないこととする。 |
附 則
(施行日)
| この告示は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(平成27年法律第53号)の施行日(平成28年4月1日)から施行する。
|
尚、このページに記載する国土交通省告示第266号「住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準」は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(法律第53号)」おける「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成28年経済産業省/国土交通省 令第1号)」に基づき、住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準を掲載しています。
簡単に言えば、新たに設けられた建築物省エネ基準に対して、小規模な一戸建て住宅については、簡単に求めることが可能な従前の仕様基準対応がきるように設けられています。
尚、従前の「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針(平成25年版)」からの改訂されているポイントは、土間床等の外周部の基礎における外皮の熱貫流率の基準値が改訂され、開口部の断熱性能等に関する基準において開口部比率の区分において(に)が増えました。
基本的な考え方は変わっていませんが大きく違う点は、外皮性能基準において開口部比率の基準と一次エネルギー消費量基準においての外皮面積比率の基準がなくなっていることです。 |
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建築物省エネ法の戸建住宅の評価方法
告示(第265号)別表第1、別表第9 告示(第265号)別表第3 告示(第265号)別表第4、別表第5 告示(第265号)別表第10
建築物省エネ法告示(第265号) 建築物省エネ法告示(第266号)
改正省エネ法省令(平成28年版)
建築主の判断基準(平成28年改訂版)
断熱材の地域区分(平成25年版)別表4
建築主の判断基準(平成25年改訂版) 設計、施工指針(平成25年改訂版)
事業建築主の判断基準(トップランナー基準)
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