構造設計の手法(木造住宅)
木造住宅(2階建てまで)の構造設計の手法には、意匠設計者でも簡単に対応できる仕様規定対応と力の流れを計算して行う構造計算対応(許容応力度設計)の2タイプがあります。
木造3階建てや構造の種別が鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合には、必ず構造計算が必要です。
◆ 仕様規定の対応
- 大筋でプラン・デザインが固まったら、建物の床面積や外観の形状より必要壁量を求め耐力壁の仕様・倍率(強さ)を確定させる。
- 耐力壁の倍率(強さ)と配置が確定すれば、その配置が建物全体でバランス良く配置されているか、四分割法 若しくは偏心率チェックで建物の変形をチェックする。
- 上記までで建物全体の強さが確定し、台風や地震時に発生する横からの水平力で、耐力壁や骨組みが破壊しないように、筋違いや柱と横架材(梁・土台)の接合金物を仕様規定 若しくはN値計算で確定させ、水平力に抵抗できる強靭な建物を設計する。
- 偏心率を採用する場合は0.3以下とする。
- 住宅性能表示にて、構造計算を行わず仕様規定にて耐震等級 及び 耐風等級2以上を採用する場合には、上記以外に品確法にて定められた等級の判定に基づいた構造設計も行うことが求められます。
詳細は、住宅性能表示の耐震等級・耐風等級を参照して下さい。
尚、構造計算を行う場合は、この仕様規定での運用は不要です。
◆ 構造計算(許容応力度設計)の対応
- 建物の長期的な固定荷重(建物の自重)・積載荷重(家具や人など)と短期の積雪荷重や台風時 または地震時に発生する水平荷重に、建物が倒壊・変形しないように力の流れをチェックし、使用する部材(柱・梁・接合金物)の許容応力度(強さ)を超えないように計算にて建物の構造設計を行う。
- 柱や梁の構造材に製材(無垢材)を使用する場合は、いくら構造計算を行って安全を確かめられても建築基準法施行令46条の壁量計算は遵守しなければならない。(集成材を使用する場合は不要)
- 構造計算を行って安全が確かめられた場合は、水平力に抵抗するための火打ち材を設ける必要はない。
- 構造計算を採用した場合には、仕様規定(N値計算も含む)で柱頭・柱脚金物を選定するより低減対応が可能で、金物の納まりの精度が良くなる。
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