次世代省エネルギー基準では、外部に面する外壁・天井又は屋根・床の断熱材を行う箇所の室内面側に気密シートにて気密工事を行い、気密住宅仕様とすることが求められます。
次世代省エネルギー基準では、外部に面する外壁・天井又は屋根・床の断熱材を行う箇所の室内面側に気密シートにて気密工事を行い、気密住宅仕様とすることが求められます。
気密シートの仕様は、断熱地域区分T及びU地域では厚さ0.2mm以上、V〜X地域では0.1mm以上とし、気密テープ・気密パッキン材・現場発泡断熱材・シーリング材などの気密補助材にて、気密層の連続性を保ち、隙間相当面積2cu以下(T・U地域)若しくは5cu以下(V地域以降)の気密性能が要求されます。
気密シートの施工範囲は図−1を参照して下さい。
※1 新省エネ基準では、T地域のみ気密住宅(隙間相当面積5cu以下・気密シート0.1mm以上)が必須となり、その他の地域は気密住宅まで要求されません。しかし、U地域においても気密住宅とするか、1ランク上の次世代省エネ仕様とする事をお勧めいたします。
※2 床下地に構造用合板・構造用パネル・パーティクルボード等の通気性の低い乾燥した面材を使用し、継ぎ目を気密補助材で処理した場合には、床面の気密シートを省く事ができます。
※3 気密住宅とする場合の玄関土間や浴室の土間など外気に接する土間床等には、基礎断熱を行うと共に土台と基礎の間に気密材又は気密補助材にて当該部分に隙間が生じないようにします。尚 基礎断熱とした場合は、最下階の床には気密層は不要です。
※ 下記に、フラット35Sにおいて気密工事を行う場合の規定を掲載しております。
尚、フラット35の規定 及びエネルギーの使用の合理化に関する法律では防湿気密フイルムと記載されていますが、ここでは気密シートの名称で記載しています。
1) 一般事項
1、 | 気密工事に使用する気密シートはJIS A 6930(住宅用プラスチック系防湿フイルム)に適合するもの、又はこれと同等以上の防湿性、強度、耐久性を有するものとする。また、寸法は所定の重ね寸法が確保できるものとし、出来るだけ幅広の長尺フイルムを用いる。 |
2、 | 気密シートの厚さは建設地応じて下記とする。 |
イ) | 地域T又はUにおいて、厚さ0.2o以上。 |
ロ) | 地域V〜Xにおいて、厚さ0.1o以上。 |
3、 | 気密シートは連続させ、隙間の出来ないように施工する。又、継ぎ目は下地材のある部分で100o以上重ね合わせ、その部分を合板、石膏ボード、乾燥した木材等で挟みつける。 |
4、 | 気密層の連続性を確保するため、気密材の継目の生じる部分に使用する気密補助材には以下の材料その他これに類する材料を用いる。 |
イ) | 気密テープ(プチル系テープ、アスファルト系テープ等気密性、又は水密性のあるものとし、経年によって粘着性を失わないもの。)。 |
ロ) | 気密パッキン材(気密性のあるものとし、経年によって弾力性を失わないもの。)。 |
ハ) | 現場発泡断熱材。 |
ニ) | シーリング材(経年によって弾性と付着力を失わないもの。)。 |
気密シートは、継ぎ目を縦・横とも下地材のある所で100mm以上重ね合わせ、端部は下地材のある部分で気密テープを用いて留め付けるか、木材等で挟み付け釘留めとする。
尚 継ぎ目は、タッカー釘にて200〜300mm程度の間隔に、その他の箇所は要所に行い、たるみ・しわのないように張る。
※ 真壁の柱部分、及び中間階床の横架材(胴差)に乾燥材(含水率20%以下)を使用する場合には、その部分に気密シートを張らなくてもよい。
気密シートは、屋根又は天井と壁、壁と床の取合い部、及び壁の隅角部で、これを構成する各部位が外気等に接する部分において、下地材のある部分で100mm以上重ね合わせ、タッカー釘にて200〜300mm程度の間隔で、たるみ・しわがないように張る。
ハ) 設備配管廻りの施工は次による。
※ 上記4)細部の気密シートの対応は、断熱地域区分のT及びU地域に建てる場合に限定されますが、その他V〜X地域にて建てる場合においても、気密性を確保するために適用することをお勧めいたします。
尚、このページに記載する気密住宅の仕様については、フラット35技術基準(旧住宅金融公庫基準)の内容を記載していますが、基本となっている「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の「設計・施工指針」はこちらを参照して下さい。 |
尚、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が一部改正となり、平成21年4月1日より気密住宅の規定が削除されました。これに伴い、住宅金融支援機構のフラット35S 省エネルギー性に関する基準(省エネルギー対策等級4)についても、気密住宅仕様に対する強制力はありませんが、断熱材の施工の難しさや壁体内結露対策として、改訂前の考え方で気密住宅仕様は行いたいものです。
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