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●和室の真壁仕様と大壁仕様の違い

和室の真壁仕様と大壁仕様の違い

木造軸組み工法での壁の納め方には、大壁仕様真壁仕様の2タイプの納め方があります。
洋室関係は、構造材の柱が見えない様に、壁を柱の外側で仕上る大壁仕様、また、和室は柱の内側で仕上る真壁仕様が基本です。
この真壁仕様は、日本古来の壁の納まりで現在まで受け継がれています。早く言えば、大壁仕様は西洋、真壁仕様は日本の壁の納まりです。


大壁と真壁


和室の真壁仕様は、構造材の柱が見えてきますので、木材の節や割れが有ると見苦しい状態になります。そこで、和室の柱には、見てくれの良い化粧された構造柱を使うようにします。構造材の仕様が無垢材ならば、柱が見える面には、節が無い無節の柱 若しくは 上小節の柱を向けて対応します。
また、柱が集成材ならば、化粧ばり構造用集成材を採用して見栄えを考慮します。

しかし、最近の和室の壁にも、工期短縮や施工の簡素化 及びローコスト化が進み乾式工法が採用され、従前の塗り壁仕上げからクロス仕上げの方が多く採用されるようになりました。また、本格的な和室より、柱を見せず和室の造作材を少なくした、現代和風イメージのモダンな和室も好まれるようになり、大壁仕様で納める和室も増えてきました。


和室の壁納め


和室 真壁仕様と大壁仕様のメリット・デメリット

和室 真壁仕様と大壁仕様の特徴
壁の仕様メリットデメリット
真壁仕様
  • 和風の雰囲気を醸しだせる。
  • 塗り壁仕様に適している。
  • 広い空間の和室に適している。
  • 柱や和室造作が多く見えて、木の温かみが伝わってくる。
  • 部屋の広さが、大壁仕様より若干広くなる。
  • 充填断熱材を入れる、壁の厚みが若干せまくなる。
  • 高耐力の耐力壁扱いが難しい。
  • 柱や造作材が多くあるため、大壁仕様の和室よりチリ切れの可能性が大きい。
  • 施工の手間が大壁仕様の和室に比べて高い。
  • 柱を化粧材にする必要がある。
  • 階高が低い場合や上部に持ち出し(キャンチレバー)バルコニーが有る場合は、和室の天井高さと梁の高さ関係で、構造梁が見える場合があるので、その場合は適さない。
  • 施工費が高く付く。
大壁仕様
  • モダン和室のイメージに適している。
  • 断熱材を入れる壁の厚みは、洋室関係と変わらない。
  • 洋室関係と同じように、高耐力の耐力壁を設けることができる。
  • 真壁仕様に比べ、チリ切れの可能性が少ない。
  • 施工が簡易です。
  • 柱は一般の柱と同じで済む。
  • 階高さが低い場合や上部に持ち出し(キャンチレバー)バルコニーが有る場合、木造軸組み工法の3階建て住宅には適している。
  • 面材耐力壁が使えることで、断熱材の筋交いによる切断が発生しない。
  • 施工費が真壁仕様より安い。
  • 塗り面積が広くなるため、塗り壁仕様には適さない。
  • 狭い空間の和室には適さない。
  • 洋室感覚の和室になる。
  • 真壁仕様より、和室の広さが若干狭くなる。

真壁仕様と大壁仕様の折衷仕様

2×4工法や各種プレハブ 並びに鉄骨造やマンションの和室は、大壁仕様の納まりで和風のイメージを出すために、見せかけの柱(付け柱・壁の入隅部に四分一)などの造作材を設けて真壁風に見せかけた納まりを行ないます。

尚、木造3階建ての和室は、構造関係から高耐力の耐力壁が必ず必要となりますので、必ず大壁仕様とすることをお勧めいたします。また、和室のイメージを出したい場合は造作柱(付け柱)を設けて折衷仕様で対応して下さい。


和室の真壁と大壁の施工例



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