透湿抵抗R=「材料の厚さ(単位:m)」÷「透湿率(単位:ng/(m・s・Pa))」
=「透湿比抵抗(単位:m・s・Pa/ng)」×「材料の厚さ(単位:m)」
尚、外装材表面の塗装、内装仕上材(ビニールクロスなど)の透湿抵抗は算入できない。
透湿抵抗比とは、断熱層の外気表面より室内側に施工される材料の透湿抵抗の合計値を、断熱層の外気側表面より外気側に施工される材料の透湿抵抗の合計値で除した値で、室内側と外気側の湿気の通し難さの比率を表す値です。
透湿抵抗比の値が大きいほど、室内側は湿気を壁に通しにくく、外気側は湿気を放湿しやすいことになり、壁体内での内部結露が生じ難いことになります。
透湿抵抗比は、室内側の防湿材(防湿層)を省略するときの検討対応に用い、外壁、天井、屋根、外気に接する床及び小屋裏に接する断熱壁において用いることができます。
尚、小屋裏換気を行っていない天井、基礎及び床においては用いることはできません。
また、断熱層が単一の材料で均質に構成される壁体を対象としていますので、断熱性能(熱伝導率)及び透湿性能(透湿率)の異なる複数の断熱材が同一壁体内に施工する場合には用いることはできません。
透湿抵抗R=「材料の厚さ(単位:m)」÷「透湿率(単位:ng/(m・s・Pa))」
=「透湿比抵抗(単位:m・s・Pa/ng)」×「材料の厚さ(単位:m)」
尚、外装材表面の塗装、内装仕上材(ビニールクロスなど)の透湿抵抗は算入できない。
下記に壁における透湿抵抗比の計算例を掲載しておきます。
部位 | 構成材料 | 透湿比抵抗 [m・s・Pa/ng] |
厚さ [m] |
透湿抵抗 [m2・s・Pa/ng] |
透湿抵抗の総和[m2・s・Pa/ng] |
外気側 | 外装材(モルタル厚み30o) | 0.617 | 0.03 | 0.01851 | 0.029512 |
防風層(透湿防水シート) | − | − | 0.002 | ||
構造用合板@12o | 0.901 | 0.012 | 0.010812 | ||
室内側 | 断熱材(グラスウール@80o) | 0.00588 | 0.08 | 0.0004704 | 0.1447854 |
防湿層(住宅用プラスチック系防湿フイルムB種) | − | − | 0.144 | ||
石膏ボード@12.5o | 0.0252 | 0.0095 | 0.000315 |
透湿抵抗比=0.1447854÷0.029512≒4.9010 透湿抵抗比は4.9となります。
また、外壁を窯業系サイディングにした場合は、下記となります。
部位 | 構成材料 | 透湿比抵抗 [m・s・Pa/ng] |
厚さ [m] |
透湿抵抗 [m2・s・Pa/ng] |
透湿抵抗の総和[m2・s・Pa/ng] |
外気側 | 外装材(窯業系サイディング厚み15o) | 0.48 | 0.015 | 0.0072 | 0.020012 |
防風層(透湿防水シート) | − | − | 0.002 | ||
構造用合板@12o | 0.901 | 0.012 | 0.010812 | ||
室内側 | 断熱材(グラスウール@80o) | 0.00588 | 0.08 | 0.0004704 | 0.1447854 |
防湿層(住宅用プラスチック系防湿フイルムB種) | − | − | 0.144 | ||
石膏ボード@12.5o | 0.0252 | 0.0095 | 0.000315 |
透湿抵抗比=0.1447854÷0.020012≒7.2349 透湿抵抗比は7.2となります。
天井断熱では、小屋裏に換気口を設置するなどの換気上有効な措置が講じられている場合は、小屋裏空間の容量が通気層の容積と比べて大きいため、外気側の透湿抵抗を断熱地域区分に応じて、下記の値として小さくすることができます。但し、断熱材の外気側にフイルムなどの材料がある場合は、その透湿抵抗を外気側透湿抵抗R’oの値に加算する。また、室内側透湿抵抗の総和から下記Crの値を減じる。
断熱地域区分 | T・U地域 | V地域 | W・X地域 |
外気側透湿抵抗R’o [m2・s・Pa/ng] |
2.16×10-4 | 1.59×10-4 | 1.59×10-4 |
移流補正係数Cr [m2・s・Pa/ng] |
2.75×10-2 | 8.96×10-2 | 1.44×10-2 |
尚、各建築材料の透湿性の数値は「建築材料の透湿抵抗値」をご覧ください。
ホームページ | 疑問・質問 | 断熱性能 | サイトマップ
許可なく文章、画像等を転載することを禁じます。
カスタム検索
|