集成材の特徴
木材には、大きく分けて自然材の無垢材と自然の木材をスライスして人工的に積層して作られた集成材とがあります。それぞれ長所・短所を理解して下さい。
種別 | 長所 | 短所 |
無垢材 | ・自然素材でシックハウスの心配がない。 | ・強度にバラツキがある。 同じ樹種でも強度にバラツキがある。 ・乾燥収縮率が高く、外壁の暴れが目立ちやすい。 |
集成材 | ・強度が安定している。 ・反りや曲がりが少ない。 ・寸法の精度が高い。 ・無垢材より強度がある。 ・自由な形状、寸法の部材が可能。 ・銘木に匹敵する美しさを安価に得ることができる。 ・構造計算対応の場合、壁量計算対応が不要。 (構造計算の手法参照) | ・シックハウスが気になる。 |
その上で、集成材の接着剤が気になるところです。
集成材の接着剤
集成材に使用されている接着剤は、使用環境1ではレゾルシノール系樹脂、使用環境2では水性高分子イソシアネート系樹脂が使用されています。
使用環境区分の使い分けは、外部廻りで使用状況が厳しい条件の場合に使用環境1を採用しますが、土台関係や外壁回りに使用環境1を採用することをお勧めいたします。
使用環境の区分 | 使用環境区分の概要 | 推奨適用箇所 |
使用環境1 | 集成材の含水率が長期間継続的に又は断続的に19%を超える環境、直接外気にさらされる環境、太陽熱等により長期間継続的に高温になる環境、構造物の火災時でも高度の接着性能を要求される環境その他の構造物の耐久部材として、接着剤の耐水性、対候性又は耐熱性について高度な性能が要求される使用環境をいいます。 | 外部廻りの露出部材 外壁廻りの構造材 ※特に土台 |
使用環境2 | 構造物の耐力部材として、接着剤の耐水性、耐熱性について通常の性能が要求される使用環境をいいます。 | 室内廻り |
使用環境1に使われているレゾルシノール系樹脂の接着剤には、ホルムアルデヒドが含まれていますが、使用環境2に使われるイソシアネート系樹脂にはホルムアルデヒドが含まれておりません。
使用環境2を採用する場合は、F☆☆☆☆を取得されている集成材を使用することをお勧めいたします。
そう言う事で、まず、構造材の対応を集成材にするか無垢材にするか、その考え方は、構造の安定・メンテナンスを優先するか、健康面を優先するかです。
私の今までの経験から判断して、構造の安定を優先して集成材を多用してきましたが、人体への健康面(シックハウス)の問題は発生した事はありません。
それぞれの特徴を理解した上で、結論を無垢材にするか、集成材を採用するか、また、集成材を採用する場合は、耐久性を優先して使用環境1を採用するか、健康面を優先して、使用環境2のF☆☆☆☆(フォースター)の集成材にするか、十分に検討する必要があります。
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