TVなどで問題になっている、電話攻勢や訪問販売は、皆さんの根気負けを狙っています。期待を持たせる様な言動は、彼らに付け入る隙間を与えているだけで、キッパリと断って下さい。万一仕事を頼む場合は、専門家に相談するか、内容のチェックをしてもらってから契約する方が賢明です。殆どと言って訪問販売の営業マンは、専門知識を持っておらず、マニュアル通りに営業しているだけで、さまざまな対応が要求され、新築より難しいリフォーム工事を安易に依頼する事は避けるべきです。
無料点検調査と称して、皆さんの目が届かない床下や配管などを調査して、問題が無いのに不具合を偽ったり、故意に問題を発生させて仕事を取る業者が多発しています。タダより高いものはありません。このような業者には十分注意すると共に、もし点検してもらう場合は、必ず自分の目で確かめるか専門家に見てもらって下さい。
訪問販売のリフォーム業者は、法外な金額をふっかけて、即断・即決を求めて来ます。十分に検討し他社の見積も必ず取って比較検討してください。あせって契約する必要性はありません。住宅の不具合が発生していても、ガス漏れ・水漏れ以外は急がなくても大丈夫です。
建設業を営もうとする場合に、軽微な工事を除いて、建設業の許可を受けなければなりません。軽微な工事とは、工事一件の請負代金の額が、建築一式工事以外の場合は500万円未満で、建築一式工事の場合は1500万円未満の工事です。それ以上の工事を請け負う場合は建設業の許可が必要です。リフォームの場合は、金額的にこれらの金額を超えない場合が多く、事業を簡単に起こす事ができ、数多くのリフォーム会社が営業攻勢をかけています。しかし、いくら軽微なリフォーム工事でも、社会的に責任のある、建設業登録を行なっている業者に依頼する事をお勧めいたします。
大企業はネームバリューで信用はありますが、出来れば地域に密着した地元の工務店等で、施工してもらう方が、親切に対応してくれます。また、不具合い箇所の手直しや、メンテナンス・急な対応が必要な場合、近くて便利でこまめに対応してくれます。
今までに施工された物件、または工事途中の物件を見せてもらい、工事の出来栄えや、工事現場の整理・整頓など、現場管理の良し悪しを確認してください。煩雑な現場程、仕事の力量がなく避けるべき業者です。
リフォームの費用や出来栄えは、業者の能力により大きく差が出ます。工事内容による業者の選定を行うことが重要で、会社の建築士・施工管理技士など建築に関する免許保有者の人数を調べてください。だいたいの能力が把握出来ます。
なお、構造変更を伴う大規模なリフォーム工事は特に注意が必要です。構造を無視して安易に工事を請ける業者が増えています。増改築を行って逆に建物が弱くなる場合がありますので、事前に現状の建物の耐震診断を行い、増改築の計画案で耐震性のアップが図れたかなど建築主に明確に説明できる、しっかりした責任ある技術者がいる業者を選んで下さい。
リフォーム工事は、新築工事に比べて工事範囲が不明確になります。1部屋だけをリフォームする場合でも、間取りの状況や下地の老朽化・設備関係の状況などで、隣の部屋まで工事を行なわなければならない場合があります。ある意味では、新築工事よりも難しく、壁や床などを撤去しなければ、正しい見積書は出来るはずがありません。その様な内容を、皆さんに解り易く説明され、見積書に反映されていますか。これを見積書に明確に表すには、「内訳明細表」がなければ表現出来ません。そう言う意味で、内訳明細がない見積書を提出してくる業者は避けるべきでしょう。
なお、一般の方には解り難く、ごまかされ易いのがリフォーム工事です。特に大がかりになるリフォーム工事は、第3者の専門家のアドバイスを受けて進める方が得策です。
見積にはかなりの時間と労力がかかります。見積後工事を断った場合、思わぬ請求を受ける場合があります。見積依頼を行う前に必ず有償・無償の確認を取って、出来れば書面に一筆残してから見積依頼を行って下さい。
1社だけに見積依頼せず、出来れば2社・3社に見積依頼を行い、適正な価格競争を行って下さい。この場合は、同じ工事内容(工事範囲・仕様・グレード)・施工条件にて見積依頼をしなければ、正しい見積比較検討が出来ないので、専門家のアドバイスを受けて対応する方がスムーズに運びます。
リフォーム工事は、施工範囲が不明確になりがちです。事前に施工業者と施工範囲を明確にして、見積依頼を行ってください。不明確のまま、見積・契約・工事と進めば工事着手後、追加変更工事として思わぬ費用が発生しトラブルの元となります。出来れば、専門家のアドバイスを受けて、工事範囲を図面や文書にて明確にして依頼する方が、後々のトラブルの 防止や、2社見積を取って比較検討するのに大変役に立ちます。
各建材・設備の仕様・グレードを明確にしなければ、業者まかせの各社思い思いの見積となり、正しい見積比較は 出来ません。また工事完成後、自分の思っていた内容との違いが解り、トラブルの元となります。安さだけで決めると後で後悔しかねません。必ず見積内容の仕様・設備の内容を把握して見積比較を行いましょう。
出来れば専門家の支援を受けて、各建材・設備の仕様・グレードを明確にしあなたが描いているリフォームのイメージ・性能を確実なものとして、2社見積を取って比較検討してください。
工事作業時間帯が不確定で見積を行うと、工事に入ってから後で、条件変更を理由に追加請求される事があります。生活環境を考慮した作業時間帯を定めて依頼してください。
工事の途中で倒産や夜逃げなど、被害に巻き込まれない様に、工事の出来高を目安に支払いすることが賢明です。決して、工事費の先払いは避ける事をお勧めします。事前に支払い条件を確認し、先払いを要求する様な業者は避けるようにして下さい。
一式見積では、出来高支払い査定も、完成後の増減精算も出来ません。必ず数量明記の見積を依頼してください。これにより工事範囲も明確になり、後々のトラブル防止につながります。一式見積にて提出する業者は避けた方が賢明です。また、見積内容の精査は、専門家にチェックしてもらうことをお勧めいたします。
建物の性能については、建物性能の基礎知識をご覧下さい。
民法上、請負契約は口約束でも成立します。安易な工事だと思っても必ず書面にて、請負契約書を取り交わして下さい。後で言った言わないのトラブルを未然に防ぎ、不利益をこうむる事を避けてください。
尚、請負契約書内容のチェックを、第3者の専門家にアドバイスしてもらい、後々不利益にならない様にする事をお勧めいたします。
今までの打ち合わせで決まった事項について、図面・見積書に記載されているか必ず確認して下さい。もし記載されていない場合は、必ず書面にて契約書に添付するか契約書の特記事項に記入して契約を行って下さい。
請負契約には、必ず契約約款を添付して契約してください。また契約前に、事前に契約資料を入手して内容確認を行いましょう。解らない事項については施工業者に確認を取り、不利益な事項については改定を要求するか、第3者の専門家にアドバイスを受けて納得した上で契約調印を行って下さい。